アナウンサー

アナウンサーブログ

Announcer Blog

小さな先生

顔写真
北本 隆雄 プロフィールへ
札幌に、はじめて本格的な雪が降り積もった日。外を歩いているとバランスを崩し、左太ももと肘を地面に打ちました。積もった初日にさっそく転んでしまった本州出身の私。その時は「生まれて初めて雪道で転んだ!」なんてはしゃいでいたのですが、1週間以上たってもまだ痛みます。

「また転んでしまうかも」

恐る恐る道を歩いていたとき、小学校低学年くらいの男の子が話しかけてきました。

「どこいくのー?」

しばらく話しながら歩いていると、あることに気づきました。その子の雪道の歩き方が、とても上手なのです。無駄のない軽快な動き。一歩一歩迷いなく踏み出し「ガッガッガッ」という音がしっかり聞こえます。

「ねぇねぇ、どうやったらそんなにうまく歩けるの?」

私は聞きました。すると、男の子は私のスニーカーを見ました。

「ふっ。そのくつじゃだめだよ」

見せてくれたくつの裏には、しっかりした銀色のスパイクがいくつもついています。

「ちゃんと、このスパイクがついてないと、転んじゃうんだよ」

そして別れ際、心配そうな声で私にひとこと。

「気をつけてね」

ありがとう。スパイクを買うね。もう転ばないように気をつけるね。

雪道での優しい“先生”との出会いでした。
今、思い出すだけで温かい気持ちになります。