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福永探偵社〜道央と道南の境目は?

2018年8月3日(金)

福永探偵社〜道央と道南の境目は?

北海道に潜むあらゆる謎や噂を解決していこう!というコーナー「福永探偵社」。今回は、探偵社助手の大慈弥アナと佐藤アナが「道央と道南の境目は?」について調査しました。
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まずは地図で「室蘭」の位置を確認してみましょう。道央の中心都市「札幌」、道南の中心都市「函館」の中間にある室蘭は、道央と言えば道央、道南と言えば道南と言える、微妙な位置です。どちらが正解なのか?現地で確かめようということで、まずは佐藤アナが室蘭へ直行!

室蘭は「道南」?

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市民の足として、室蘭市内を走行するバス会社は「道南バス」と言います。1944年に胆振・日高地区のバス会社9社が合併し、道南乗合自動車を設立。その8年後、現在の「道南バス」に社名を変更しました。道南バスの社史を見せてもらうと、確かに“南部北海道一円を走ることから道南バスに命名”と記載されています。ということで、道南バスとしてはやはり「室蘭は道南」と認識しています。
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では、室蘭市民はどう認識しているのか? 街ゆく皆さんに伺ってみると「雪が少ないし、地理的に南側にある」などの理由から、室蘭市民はほぼ100%「道南」と回答しました。地元には「道南」と名前がついた会社も多く存在していますし、室蘭は「道南」という認識が日常に溶け込んでいるようです。
さらに“道南説”を確かめるべく、室蘭市役所へ行きました。広報担当者にお聞きすると「道南です」という回答でした。「昭和56年に発行された『室蘭市史』に北海道の南西部という表記があることや、天気予報でも“道南”に区分されることが多いから」とのことでした。
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では、お天気コーナー「空のごきげん」でもお馴染みの気象協会・岡本予報士にも伺ってみました。「北海道は主に道北・道東・道央・道南の4つに分類しています。これは日本気象協会が独自にルール化したもので、区分として室蘭は“道南”に分類しています」とのこと。しかし「室蘭は全員が全員、道南とイメージできないかもしれない」ということから、解説の際は「道南方面」と表現しています。

室蘭は「道央」?

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今度は、大慈弥アナが調査を開始!まずは日々、北海道の形と向き合っているプロ、札幌にある地図の出版社「地勢社(札幌市中央区北1条西16丁目)」を訪れました。今年で創業55年の老舗です。こちらでは道路地図など様々な種類を出版しています。では、地図の会社の認識は?というと室蘭は「道央」という答えが返ってきました。「道央」の地図を見てみると、確かに室蘭が載っていました。
こちらの会社では、札幌から日帰りでラクに行ける圏内を「道央」と定めているそうで、そこに室蘭も含まれるということから「室蘭を道央」と認識しています。
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さらに奥の手!ここでいよいよ「北海道庁」の見解を聞いてみました。北海道庁、いわゆる行政は、室蘭を「道央」に位置づけている事がわかりました。その理由は「平成28年度からの北海道総合計画により、北海道は6つに分かれており、室蘭は道央に区分されているから」とのことでした。

結局どっち!?

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室蘭は道南か道央か、両方の意見が飛び出し、福永探偵社はじまって以来の大混乱となりました。
ならば、専門家に教えてもらうしかない!ということで、北海道の地域区分に詳しい文化学園大学の准教授・栗山丈弘先生にお話を伺いました。「北海道は長い歴史のなかで様々な地域区分がありました。地形や気候の一体性からくる区分、生活圏や経済圏などの機能地域と言われる区分、個人的に抱く地理的イメージで区分されることもあります。その土地で暮らす住民に受け継がれている記憶や歴史から来る地域イメージと、行政区域は必ずしも一致しません。そして今後の歴史で変化することも考えられます。」と教えてくれました。

ということで、先生の話をまとめると「室蘭は道央でも道南でも間違いない」という結論に至りました!
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