雨だから 北本 隆雄
2017年8月15日(火)

北本 隆雄
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お盆期間中の先日、本州から新千歳空港へ向かう飛行機に乗りました。ガイドブックを熱心に読むカップルや家族連れ。そんな観光客が多い明るい機内でした。
飛行機が高度を下げ始めたころ、機内アナウンスが「新千歳空港の天候は……“雨”。」と伝えると、一瞬、機内が静まり返りました。せっかくの旅行ですから、天気予報で分かっていても改めて“雨”と宣告されると気持ちが沈むはず。キャビンアテンダントさんの声も少し遠慮がちに聞こえます。
そういえば私が学生時代に旅行するときも、いつも雨だったな、と思い返しました。
大学3年生のときに、友人と車で九州旅行をしました。深夜にたどり着いたのは大雨と暴風で停電した山奥の町。泊まる予定だったキャンプ場も閉鎖され、車中泊をするにしても、お風呂とトイレがない…。
すると近くの温泉施設の女性が「困ったときはお互いさま」と、とうに営業時間が終わっているにも関わらず温泉に入れてくれたのです。「大変だったねぇ」「はるばる来てくれたのだからね」という言葉で、暗闇の道を走ってきた心細さはスッと消えていきました。雨の音を聞きながら入る温泉は最高で、のぼせるまでつかりました。
“雨”だからこそ感じた温かさは、何年たっても忘れない思い出です。
飛行機での「雨宣告」に肩を落としているみなさんにも、“雨ならでは”の特別な旅の思い出ができますように。
飛行機のドアから降り立つと「わ!涼しいっ!」「最高!!」というキャッキャとした楽しそうな声が周りから聞こえてきました。
飛行機が高度を下げ始めたころ、機内アナウンスが「新千歳空港の天候は……“雨”。」と伝えると、一瞬、機内が静まり返りました。せっかくの旅行ですから、天気予報で分かっていても改めて“雨”と宣告されると気持ちが沈むはず。キャビンアテンダントさんの声も少し遠慮がちに聞こえます。
そういえば私が学生時代に旅行するときも、いつも雨だったな、と思い返しました。
大学3年生のときに、友人と車で九州旅行をしました。深夜にたどり着いたのは大雨と暴風で停電した山奥の町。泊まる予定だったキャンプ場も閉鎖され、車中泊をするにしても、お風呂とトイレがない…。
すると近くの温泉施設の女性が「困ったときはお互いさま」と、とうに営業時間が終わっているにも関わらず温泉に入れてくれたのです。「大変だったねぇ」「はるばる来てくれたのだからね」という言葉で、暗闇の道を走ってきた心細さはスッと消えていきました。雨の音を聞きながら入る温泉は最高で、のぼせるまでつかりました。
“雨”だからこそ感じた温かさは、何年たっても忘れない思い出です。
飛行機での「雨宣告」に肩を落としているみなさんにも、“雨ならでは”の特別な旅の思い出ができますように。
飛行機のドアから降り立つと「わ!涼しいっ!」「最高!!」というキャッキャとした楽しそうな声が周りから聞こえてきました。