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先生のやさしさが裏目に出たはなし

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北本 隆雄 プロフィールへ
今から10年ほど前、中学時代のことです。100点満点の数学の定期テストで“0点”を取りました。全問不正解。重要な方程式を間違えて覚えていたことから、大真面目に書いたすべての回答にバツがつきました。

「ありゃりゃ!」こんなにも気持ちよく全部間違えることがあるかと自分でも驚きました。

「今回のテスト、平均点低いねー」

という言葉がクラスで飛び交っていましたが、それは私の“おかげ”なのです。
ただクラスのみんなに言うのは少し恥ずかしいので、答案用紙をそっと机の下に隠しました。

家で母に「0点取った」と言うと「どれだけ頑張ったって普通は取れない。逆にどうやったら取れたのか」と笑われました。能天気な私は数日経てば、忘れていました。

ただ学校では、ちょっとした騒ぎになっていたようです。後から聞いた話ですが、職員会議の議題になったようです。全校生徒が400人くらいいる中学校で「北本が0点をとった」ということが議題になるというのは…今となってはお騒がせして申し訳ない気持ちでいっぱいです。

「ふだんは、平均点くらいを取る子が、0点を取ったぞ」
「嫌なコトがあったのではないか。問題を抱えているのではないか。体調が悪いのではないか」

本当にやさしい先生方です。結論は「そっとしておいてあげよう」となったようで、
先生から試験のことを咎められることも話題にされることもありませんでした。

先生のやさしさは次のテストの時にも出ました。次は数学で70点を取りました。
クラス全員に答案用紙を返却し終わった後に先生が教壇で、

「このクラスの中で、一番点数の伸びがよかったのが、北本だ!よくがんばったぞ、おまえ70点も伸びたもんな!」と言い放ったのです。

「ん?」

…クラス中が“ざわざわ”“ざわざわ”。当たり前です。70点伸びたって、前が何点だったって話です。結局私は、全員の前で「前、0点をとった」という事実を告白することになりました。