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ちょうど、今くらいの季節にあったことです  北本 隆雄

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“こすると消える”と言われても
最初はピンときませんでした。

高校時代に文房具屋さんで見つけたそのペンは
今や多くの人が使っているものです。

ペンのおしりの部分で文字をこすれば
インクが消えるという優れもの。

便利だったので学校の手帳やノートは
そのペンを使ってビッシリと書きました。

すると、1週間後に事件が起きます。

数学の授業で開いたノートの1、2ページ目の文字が
きれいさっぱり消えていました。
誰かがこすった後もありません。

「なぜだ、なぜだ。」

魔法をかけられたようなノートを前に
しばらく固まってしまいました。

調べると、どうやらこのインクはこすらずとも
“60度以上の熱が加わると消える”ことが分かりました。

ただ、生活をしている中でそれくらいの熱が加わる場所は
見当もつきません。

冷たい風が吹く季節でしたので、
灼熱の太陽のせいで、なんてこともありえません。

「これが、学校の七不思議かあ…」

あきらめて、家に帰るバスの中。
一番後ろの座席でリュックを足元に置いて
うとうと、していました。

「おっ。」

そういえば、足元からかなり温かい風が出ているなという感じがありました。
冷え切った両足をじんわりとあたためてくれる、あの風です。

試しにメモ帳にペンで文字を書き足元のヒーターにあててみると
みるみるうちにインクが消えていきました。

「お前だったのか。」

冬のバスでいつも快適な睡眠をさせてくれていた
ヒーターが真犯人。

それ以降は、リュックをおなかに抱えて
寝ることにしました。

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