誰もいらない 北本 隆雄
2020年12月16日(水)

北本 隆雄
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バスの「整理券」をすっかり使わなくなりました。
先日、バスに乗りながら
後ろの扉に設置されている発券機が目につきました。
長方形のクリーム色で
ところどころ錆びて茶色になっています。
バス停に着くと、その箱から
「ガチャン」という音とともに整理券が出てきました。
ただ、乗り込んでくる誰ひとり
それを引き抜こうとはしません。
みなICカードを読み取り機にかざしています。
結局、誰に取られることもなく
扉は閉まりました。
「何だか、かわいそうだな」
哀れな目で見ていると「ガチャン」と再び音が。
半分ほど出ていた券が
再びそのクリーム色の箱の中に収納されたのです。
次のバス停でも、またその次でも
一度も取られることなく
同じ券が出たり入ったりの繰り返し。
誰からも必要とされていない感じがして
悲しい気持ちになりました。
途中で、私が引き抜いてあげようかと思ったのですが
いろいろとややこしくなるのでやめました。
先日、バスに乗りながら
後ろの扉に設置されている発券機が目につきました。
長方形のクリーム色で
ところどころ錆びて茶色になっています。
バス停に着くと、その箱から
「ガチャン」という音とともに整理券が出てきました。
ただ、乗り込んでくる誰ひとり
それを引き抜こうとはしません。
みなICカードを読み取り機にかざしています。
結局、誰に取られることもなく
扉は閉まりました。
「何だか、かわいそうだな」
哀れな目で見ていると「ガチャン」と再び音が。
半分ほど出ていた券が
再びそのクリーム色の箱の中に収納されたのです。
次のバス停でも、またその次でも
一度も取られることなく
同じ券が出たり入ったりの繰り返し。
誰からも必要とされていない感じがして
悲しい気持ちになりました。
途中で、私が引き抜いてあげようかと思ったのですが
いろいろとややこしくなるのでやめました。