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宮永 真幸 プロフィールへ
 一夜の夢であった。いや、夢のような一夜であった。北極冒険家の友人がいる。荻田泰永という北海道在住の男である。毎年のように北極圏を一人で歩いている。最終目標は「北極点への単独徒歩無補給到達」である。今年の春も北極圏をカナダからグリーンランドへ歩いて渡った。1000kmの旅は、ひとつの判断を間違えば命を落としてしまう危険を常にはらんだ冒険だった。無事に彼は戻ってきた。仲間が企画した慰労会と報告会が先日札幌市内で開かれた。むき出しの自然と向き合う姿が写真や映像で紹介された。雪原の中を一人そりをひきながら歩く姿。あごひげを血で染めたオオカミ、微妙な距離を保ちながら並行するホッキョクグマ。雪氷との格闘。全部自撮りである。
 そんな彼がいま挑戦しようとしているのが「南極点への単独徒歩無補給到達」両極を制覇すれば世界初の快挙だそうだ。そんな壮大な夢を聞いたあと、皆で向かったのは市内のゲストハウスにあるバー。なんとここは元南極観測隊員が経営している。予約なしでの訪問も快く受け入れてくれた。すると同席するお客さんの雰囲気が何か違う。我々一般人とは違うオーラを身にまとっている。聞けば南極観測隊員の人たちだという。おもむろに電話で話し始める。その声が店内のスピーカーから流れる。「こちら昭和基地・・」
 一夜で2万キロ。地球の両極を札幌の地で感じることができた奇跡的な夜であった。