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「無観客」で思ったこと。

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Jリーグが再開。
4か月ぶりのプレーに心躍る思いです。
そして今日から、
「上限5000人」という規制はあるものの、いよいよ観客を入れての開催が始まります。

さて、ここまで開催されてきた「無観客」の試合。
会場では、選手やベンチにいるスタッフの声が響いていました。
「無観客」といえば、コンサドーレ・ペトロヴィッチ監督が
「ショックな出来事で、公式戦を戦っている感じがしなかった」と話すのが、
浦和レッズの監督だった当時、2014年のある試合です。
その際、このブログで、こんなことを書きました。




それは3月23日日曜日。
サッカーのJリーグディビジョン1第4節「浦和レッズ対清水エスパルス」の一戦です。
ご記憶の方も多いでしょう。
この試合の前、3月8日の鳥栖戦で、浦和サポーターが「JAPANESE ONLY」と書かれた横断幕をスタジアムに掲示したことが「差別的」とされ、それをクラブが放置したことに、制裁が課されました。それが、この3月23日の試合を「無観客試合」とすること、でした。
Jリーグ史上初、というか日本スポーツ史にもあまり例の無い事態は、スポーツニュースでも度々報じられてきましたので、あえてこの場での言及はしません。
ただ、この日、強く印象に残ったのが、両チームを率いた外国籍監督の試合後のインタビューでした。
質問のいちばん始め、純粋に試合の内容について聞かれた両指揮官。
しかし、奇しくも同じように、それを遮るように、試合が無観客であったことから話し出しました。
「やはりファンの存在は、大きい。魂を失ってしまうようだ」。
「ファンがいない形で戦うのは、簡単なことでは、なかった」。
この後、「差別」をきっかけに生じたといわれるこの事態についての両指揮官の思いが、淡々と語られていきます。
それは、サッカーの試合直後のインタビューとしては、少々異質に感じられるものでした。
浦和レッズ・ペトロヴィッチ監督はセルビア出身で現オーストリア国籍。
一方、当時の清水エスパルス・ゴトビ監督はイラン出身で現アメリカ国籍。
このような試合に、両監督を配したサッカーの神様は、我々に何を伝えようとしているのでしょうか。




あれから6年。
まさか、サッカーのみならず、こんなにたくさんのスポーツが、「無観客」開催されようとは・・。
そして世界情勢を見れば、その原因となったコロナ禍をきっかけに、人間どうしの様々な「分断」が指摘されるようになりました。
あの時の「イヤな感じ」を、思い起こさせるような事件も相次いでいます。

今日からの日本のスポーツでの「有観客試合」の開催は、喜ばしいニュースと捉えられています。
少しづつ、日常が戻ってくるようです。
そんな今だからこそ、我々が年明けからここまでの出来事を通じて感じた「分断」や「壁」について、思いをはせてみることも、必要なのではないでしょうか。



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