虹色のお花 高山 幸代
2017年3月20日(月)

高山 幸代
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5歳の娘はデパートが大好き。休みの日にはよく出かけるのだが、最近恒例になりつつあるのが、帰りのバスに乗る前にお花を買うこと。バスターミナルのすぐ近くに小さなお花屋さんがあるのだ。しかも比較的リーズナブルで、小さな花束が300円台。中には2〜3種類の花を使っているアレンジもある。デパートめぐりの最中は、「ダメ」「それは買えないよ」ばかり繰り返している母も、ここでは娘の希望を叶えてあげられる。その日も彼女は一目散に店に入り、品定めを始めた。
「スイートピーはこの前買ったし…、あ、フリージアいい香り!」
花の名前も覚えてきたようだ。珍しく長く迷っている。子供というのは、時にスゴい色の組み合わせを好んだりするので、恐る恐る待っていた。頭の中では、SMAP「世界に一つだけの花」の冒頭部分をリフレインしながら♪
しばらくして、勝ち誇ったような顔で握りしめてきた。娘曰く、「虹色のお花」がこれだ。
「スイートピーはこの前買ったし…、あ、フリージアいい香り!」
花の名前も覚えてきたようだ。珍しく長く迷っている。子供というのは、時にスゴい色の組み合わせを好んだりするので、恐る恐る待っていた。頭の中では、SMAP「世界に一つだけの花」の冒頭部分をリフレインしながら♪
しばらくして、勝ち誇ったような顔で握りしめてきた。娘曰く、「虹色のお花」がこれだ。
色に惑わされずよく見て頂きたい。花は紛れもなく、菊。そう、お仏壇の前にぴったりな「菊」である。「えっ?菊買うの??」私は心の中で必死に抵抗した。が、次の瞬間お店のお姉さんが、「きれいですよね〜。菊なんですよ〜。色を吸わせて着色しているんです。」と解説。それを聞いた娘も、「いい花を選んだわ、私!」と言わんばかりの満足気な表情で、うっとり虹色のお花を見つめている。2人の笑顔に挟まれて、私も「そうだな。たまにはこんなのもありか…。(ありか!?)」と多少葛藤しながらも購入。菊だけにさすがに持ちがよく、写真は5日目の姿。娘は毎日保育園から帰ると、「虹色のお花さんただいま。今日もきれいだよ!」とうれしそうに語りかけている。私も見慣れてきたせいか、春らしくていいような気もしてきた。
春のお彼岸。一応菊なので、普段は別のところに飾ってある天国の父の写真を傍らに置いてみた。孫の選んだ鮮やかな虹色に、一瞬目を白黒させたように見えた。
春のお彼岸。一応菊なので、普段は別のところに飾ってある天国の父の写真を傍らに置いてみた。孫の選んだ鮮やかな虹色に、一瞬目を白黒させたように見えた。