漁獲枠増加案提示も…漁再開の見通し立たず スルメイカ漁師「廃業してしまう」落胆の声 函館市
今季のスルメイカ漁について、水産庁は漁獲枠を増やす案を公表しました。
しかし、函館のスルメイカ漁の再開見通しは立っておらず、地元の漁師からは落胆の声が聞かれました。
(東海林記者)「生きた状態のイカを出している函館朝市では、入荷がない状態が続いています」
函館の観光名所・函館朝市です。
店の前にある生け簀には名物のスルメイカはありません。
函館の漁港は静けさが漂っていました。
本来はスルメイカ漁が最盛期を迎えているはずですがー
(スルメイカ漁師)「うちにいても退屈なんだよね。少し来て作業していた。いちばんこれからというときに2週間止められた」
6月に道南で解禁したスルメイカ漁。
近年は記録的な不漁が続いていましたが、2025年は青森県などで豊漁に。
小型イカ釣り漁船の漁獲量が10月24日時点で5896トンと、漁獲可能な量の4900トンを超え、水産庁は11月1日から採捕停止命令を出していました。
そのなか水産庁は5日、スルメイカ漁の全体の漁獲枠を、現在の2万5800トンから1800トン増やした2万7600トンとする案などを示しました。
都内で開かれている水産政策審議会の分科会に諮問する予定です。
小型イカ釣り漁船の漁獲枠は現在の4900トンから5757トンに増えることになりますが、依然としてとして漁獲量が139トン上回っています。
採捕停止命令が解除される見通しは立たず、函館の漁師からは落胆の声がー
(スルメイカ漁師)「TAC(漁獲可能量)が増えましたと言われても、わたしたちには漁期がある。限られた漁期しかない。もう2週間も休んでいるから1日でも早く出してくれ」
(スルメイカ漁師)「何日かあとに出漁できればという期待はあった。補償してくれるならいいかもしれないが、わたしたちみたいな小さな漁業者は廃業してしまう」
道は10月から海に面している12の振興局に相談窓口を設置し、漁業関係者や水産加工業者から話を聞くなどして、休漁による影響の把握に努めています。