今日の内容
2018年6月26日(火)
「ふれあい広場サンデー九」
【「ふれあい広場サンデー九」このコーナーは、昭和51年から9年間放送された
STVテレビの福祉番組「ふれあい広場サンデー九」の司会として多くの人に福祉への
理解を高めた坂本九さんの意思を受け継ぎ、障がい者の方々に寄り添いながら、
明日(あす)の北海道の福祉に活かそうと、ふれあい広場サンデー九運営実行委員会の
協力でお送りするものです。】
毎月第4火曜日「ふれあい広場サンデー九」
今日の出演者 社会福祉法人 宏友会「西野ケアセンター」
施設長(法人人材育成部長) 保坂(ほさか さん
月に一度、第4火曜日にお送りしている「ふれあい広場サンデー九」。
。
今日は、札幌市内で、障がい者雇用や共生社会に積極的に取り組む、
高齢者支援で有名な西区にあります社会福祉法人宏友会、西野ケアセンター施設長であり、
法人全体の人材育成部長でもある保坂昌知からお話しを伺います。
保坂施設長に登場頂きました。
風車のマークの、宏友会ですが、まず、法人の概要について
当法人は昭和49年(1974年)創立。今年で44年目を迎えます。法人の最初は特養で、
「手稲リハビリテーションセンター」という名称で、札幌市内で6番目の特別養護老人ホーム
です。特養は「〇〇園」などの名称が多かったのですが、当時、この名称は異彩を放っていまし
た。また、西区にありながら「手稲リハビリテーションセンター」という名称が気になる方も
いるでしょうが、手稲区ができる前で「西区手稲町」という地名に由来しています。
現在、私が勤める西野ケアセンターは平成11年(1999年)に建てられた、法人内、2番
目の特養です。他にも軽費老人ホーム藤園、西野デイサービスセンター、認知症グループホーム風車、
西野居宅介護支援事業所、西野訪問介護事業所、介護予防センターなど、西区を中心に高齢者を対象
として社会福祉事業を展開している社会福祉法人です。
共生型福祉拠点の取組とは
私が特養に初めて勤めたときに、高齢者が一カ所に集まっている情景をみました。自分の人生
経験で初めて見ました。本来、地域は高齢者や子供はもちろん、色々な人の集合体が地域だと思うんです。
高齢者だけを集める施設はどこか違和感を感じたことを今でも忘れられません。
「共生」という言葉が、私どもの業界でも盛んに聞かれるようになりました。高齢者や障がい
者、あるいは子供という枠組みに捉われず、共に集い、交流し、お互いに支え、支えられる関係
を、社会資源である施設を基点として一緒につくり上げていこうとする動きです。当センターも
町内の住民の方はもちろん、障がい者や高齢者、あるいは外国の方など、いろいろな人たちが集
える「場」として、施設を利用者のためだけではなく、地域の中で意味のある形にしたいと思
い、様々な取組を2年ほど前から始めています。
具体的な取組は
保坂:障がい者雇用・高齢者雇用の開始
最初に、障がい者の雇用に取り組みました。現状、企業の障がい者の法定雇用率は2.2%です
が、現在、当センターは7.2%です。また、昨年からは60歳以上75歳未満の高齢者の雇用も
始めています。この取り組み理由ですが、
一つには、介護職員の雇用が難しくなっている現状があります。もう一つは、介護現場が専門的
な介護を提供したいと考えても、それ以外の一般業務に振り回され、良質なサービスを提供でき
ずにいる現状があります。また、障がい者や高齢者の方たちは、仕事を通じて社会とつながるな
どのメリットがあり、WIN‐WINの関係をつくりたいと取り組んだところです。
介護業務は、知識や技術の必要な専門的な業務と、洗濯やシーツ交換などの一般的な業務に分類
できます。その一般の介護業務を障がい者や高齢者に担っていただき、介護職員は自分たちの
本来行いたい介護業務に専念できる体制をつくったわけです。昨年、この取組のアンケート調査
を行ったところ、障がい者や高齢者がシーツ交換や洗濯などを担ってもらうことに対して、職員
の95%が感謝している結果が出ました。さらに、その仕事ぶりに対して学ぶべき点も多いとい
う回答もありました。
地域住民とのかかわり
当センターのすぐそばに「西園小学校」があります。その5年生との交流事業を2年前から
実施しています。これは2カ月間、総合学習の時間割を使って、学校と施設を交互に訪問し、
施設の内容や意味を理解してもらう取り組みです。例えば、当センターの職員が
ゲストティーチャーとして学校に出向き、認知症の授業をしたり、
生徒は利用者さんとのかかわり方を自分たちで考え、
その後、当センターを訪問し実体験するなどの内容です。
また、キリスト協会の留学生が日本文化を学ぶために、利用者さんと餅つきや節分を一緒に
体験し、逆にハロウィンやイースターなどの文化を利用者さんに紹介してくれる
「異文化交流」も実施しています。
西野ケアセンターには、樹齢が100年以上の有名な「藤」の大木があります。花が咲く時期
になると近所の住民が頻繁に訪れるようになります。紫の満開時期にオープンカフェを開催して
いるのですが、今年も300名ほどの参加者が見られました。「パープルカフェ」と呼んでいま
すが、施設利用者も含めた地域住民と、西区にある障がい者の事業所や施設に出店してもらい、
地域の方と障がい者の方が相手を知り、理解するための「出会いの場」を提供しています。
カフェ事業は秋と冬にも行っていますので、のぞいてみてくください。
今後の方向性
地域の中で施設が、要支援・要介護高齢者のためだけの特別な場所ではなく、地域の中で
ノーマライゼーションを促進する「場」として、新たな役割を展開する。
地域を縦割りではなく、横断的に捉え、地域のあらゆる社会資源との連携を円滑にする。
幅広い地域住民の参画・交流を通じて地域課題を見出し、それぞれのストレングスを活かし
ながら、世代や分野を超えて、支え・支えられる仕組みを構築する。
これらを掲げながら、これからも取り組んでいきたいと考えています。
最後に、そのためには人材の確保や育成が大切です。一般企業も同様ですが、とりわけ介護
業界の人材確保は難しくなっています。ラジオをお聞きの皆さんで、当法人の取り組みに共感や
ご賛同いただける方、ぜひ一緒に働いてみたいという方がいらっしゃいましたら、ご連絡くださ
い。待っています。
「西野ケアセンター」、電話番号011-669-6660(札幌市西区西野2条8丁目Ⅰ-8)
7月24日(火)です。お楽しみに。
STVテレビの福祉番組「ふれあい広場サンデー九」の司会として多くの人に福祉への
理解を高めた坂本九さんの意思を受け継ぎ、障がい者の方々に寄り添いながら、
明日(あす)の北海道の福祉に活かそうと、ふれあい広場サンデー九運営実行委員会の
協力でお送りするものです。】
毎月第4火曜日「ふれあい広場サンデー九」
今日の出演者 社会福祉法人 宏友会「西野ケアセンター」
施設長(法人人材育成部長) 保坂(ほさか さん
月に一度、第4火曜日にお送りしている「ふれあい広場サンデー九」。
。
今日は、札幌市内で、障がい者雇用や共生社会に積極的に取り組む、
高齢者支援で有名な西区にあります社会福祉法人宏友会、西野ケアセンター施設長であり、
法人全体の人材育成部長でもある保坂昌知からお話しを伺います。
保坂施設長に登場頂きました。
風車のマークの、宏友会ですが、まず、法人の概要について
当法人は昭和49年(1974年)創立。今年で44年目を迎えます。法人の最初は特養で、
「手稲リハビリテーションセンター」という名称で、札幌市内で6番目の特別養護老人ホーム
です。特養は「〇〇園」などの名称が多かったのですが、当時、この名称は異彩を放っていまし
た。また、西区にありながら「手稲リハビリテーションセンター」という名称が気になる方も
いるでしょうが、手稲区ができる前で「西区手稲町」という地名に由来しています。
現在、私が勤める西野ケアセンターは平成11年(1999年)に建てられた、法人内、2番
目の特養です。他にも軽費老人ホーム藤園、西野デイサービスセンター、認知症グループホーム風車、
西野居宅介護支援事業所、西野訪問介護事業所、介護予防センターなど、西区を中心に高齢者を対象
として社会福祉事業を展開している社会福祉法人です。
共生型福祉拠点の取組とは
私が特養に初めて勤めたときに、高齢者が一カ所に集まっている情景をみました。自分の人生
経験で初めて見ました。本来、地域は高齢者や子供はもちろん、色々な人の集合体が地域だと思うんです。
高齢者だけを集める施設はどこか違和感を感じたことを今でも忘れられません。
「共生」という言葉が、私どもの業界でも盛んに聞かれるようになりました。高齢者や障がい
者、あるいは子供という枠組みに捉われず、共に集い、交流し、お互いに支え、支えられる関係
を、社会資源である施設を基点として一緒につくり上げていこうとする動きです。当センターも
町内の住民の方はもちろん、障がい者や高齢者、あるいは外国の方など、いろいろな人たちが集
える「場」として、施設を利用者のためだけではなく、地域の中で意味のある形にしたいと思
い、様々な取組を2年ほど前から始めています。
具体的な取組は
保坂:障がい者雇用・高齢者雇用の開始
最初に、障がい者の雇用に取り組みました。現状、企業の障がい者の法定雇用率は2.2%です
が、現在、当センターは7.2%です。また、昨年からは60歳以上75歳未満の高齢者の雇用も
始めています。この取り組み理由ですが、
一つには、介護職員の雇用が難しくなっている現状があります。もう一つは、介護現場が専門的
な介護を提供したいと考えても、それ以外の一般業務に振り回され、良質なサービスを提供でき
ずにいる現状があります。また、障がい者や高齢者の方たちは、仕事を通じて社会とつながるな
どのメリットがあり、WIN‐WINの関係をつくりたいと取り組んだところです。
介護業務は、知識や技術の必要な専門的な業務と、洗濯やシーツ交換などの一般的な業務に分類
できます。その一般の介護業務を障がい者や高齢者に担っていただき、介護職員は自分たちの
本来行いたい介護業務に専念できる体制をつくったわけです。昨年、この取組のアンケート調査
を行ったところ、障がい者や高齢者がシーツ交換や洗濯などを担ってもらうことに対して、職員
の95%が感謝している結果が出ました。さらに、その仕事ぶりに対して学ぶべき点も多いとい
う回答もありました。
地域住民とのかかわり
当センターのすぐそばに「西園小学校」があります。その5年生との交流事業を2年前から
実施しています。これは2カ月間、総合学習の時間割を使って、学校と施設を交互に訪問し、
施設の内容や意味を理解してもらう取り組みです。例えば、当センターの職員が
ゲストティーチャーとして学校に出向き、認知症の授業をしたり、
生徒は利用者さんとのかかわり方を自分たちで考え、
その後、当センターを訪問し実体験するなどの内容です。
また、キリスト協会の留学生が日本文化を学ぶために、利用者さんと餅つきや節分を一緒に
体験し、逆にハロウィンやイースターなどの文化を利用者さんに紹介してくれる
「異文化交流」も実施しています。
西野ケアセンターには、樹齢が100年以上の有名な「藤」の大木があります。花が咲く時期
になると近所の住民が頻繁に訪れるようになります。紫の満開時期にオープンカフェを開催して
いるのですが、今年も300名ほどの参加者が見られました。「パープルカフェ」と呼んでいま
すが、施設利用者も含めた地域住民と、西区にある障がい者の事業所や施設に出店してもらい、
地域の方と障がい者の方が相手を知り、理解するための「出会いの場」を提供しています。
カフェ事業は秋と冬にも行っていますので、のぞいてみてくください。
今後の方向性
地域の中で施設が、要支援・要介護高齢者のためだけの特別な場所ではなく、地域の中で
ノーマライゼーションを促進する「場」として、新たな役割を展開する。
地域を縦割りではなく、横断的に捉え、地域のあらゆる社会資源との連携を円滑にする。
幅広い地域住民の参画・交流を通じて地域課題を見出し、それぞれのストレングスを活かし
ながら、世代や分野を超えて、支え・支えられる仕組みを構築する。
これらを掲げながら、これからも取り組んでいきたいと考えています。
最後に、そのためには人材の確保や育成が大切です。一般企業も同様ですが、とりわけ介護
業界の人材確保は難しくなっています。ラジオをお聞きの皆さんで、当法人の取り組みに共感や
ご賛同いただける方、ぜひ一緒に働いてみたいという方がいらっしゃいましたら、ご連絡くださ
い。待っています。
「西野ケアセンター」、電話番号011-669-6660(札幌市西区西野2条8丁目Ⅰ-8)
7月24日(火)です。お楽しみに。