どさんこワイド179

福永探偵社〜新説!ロウソクもらいの謎

2022年8月10日(水)

福永探偵社〜新説!ロウソクもらいの謎

北海道に潜むあらゆる謎や噂を解決していこう!というコーナー「福永探偵社」。今回は、夏の風物詩「ロウソクもらい」の知られざるルーツに迫りました。独自取材の結果、調査はなんと新潟県にまで!北海道の夏・最大の謎に挑みます。

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子どもたちが歌とともに街を練り歩き、ロウソクやお菓子をもらって回る、北海道ならではの風習といわれる「ロウソクもらい」。平成8年の時点では、全道各地で確認されていました。
地域によって歌の歌詞やお祭りのスタイルも少しずつ異なっていたようです。
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記録されていた映像を見ると、平成10年に行われた小樽市・高島地区の七夕まつりは、青森の“ねぶた祭り”とそっくり!高島地区は青森のねぶたと関係があるのか?現地調査をしてきました。

現地の方によると、高島地区の七夕まつりはもう行っていないそうです。この日準備が進められていたのは、100年以上前から続くという「高島越後盆踊り」。新潟県の藤塚浜地区からの入植者たちによって持ち込まれ、現在も継承されています。
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昭和50年ごろの高島の七夕祭りの映像を見ると、まさに“小さなねぶたまつり”のようです。ここにもロウソクを集める文化が!集めたロウソクはお金に換えることができたようです。

実は、高島地区だけではなく北海道の「ねぶた」に関する情報は古くから記録されていました。北海道に海を越えて伝わっていた青森の「ねぶた」。これこそが“ロウソクもらい”のルーツなのか?青森へ向かいました。
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専門家によると、青森にも“ロウソクもらい”の数々の記録が残っていて、ロウソクもらいの歌詞まで北海道と同じでした。

ねぶたにとってのロウソクは、行灯の絵にも使い、更に灯りにもなっていた重要なもの。そのロウソクを集めるために“ロウソクもらい”をし、当時はロウソクは貴重なものだったので換金もしていたようです。
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古くから青森では「ねぶた」に使うロウソクを子どもたちが集めていて、幕末から明治にかけて「ねぶた」とともにロウソクもらいが北海道に伝わりました。時代が移り変わる中で、ロウソクもらいの風習だけが残り続けたようです。

昭和44年発行の“日本民俗地図”という本によりますと、新潟県の村松浜でも“ロウソクもらい”をしていたそうです。村松浜に隣接する藤塚浜からは、実際に「越後盆踊り」が北海道に持ち込まれたことが確認されていることから、村松浜もロウソクもらいのルーツである可能性が出てきました。
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本当に村松浜では七夕にロウソクもらいをやっていたのか。新潟でも調査を始めました。

聞き込みをしていると、ロウソクもらいと、北海道と同じ歌を知っている人が!地元の七夕行事に詳しいという方にもお話を伺いました。
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村松浜では、七夕行事としてロウソクを集めていました。主に小学生が主体となって短冊や灯篭をつくり、ロウソクは灯篭に使っていたそうです。

村松浜ではロウソクもらいの歌とともに麦わらでつくった「七夕舟」が大切な役目を果たします。男の子がいる家は騎馬武者人形を、女の子がいる家はひな人形をつくります。人形を舟にのせて海に流し、お盆を迎えていたそうです。
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“ロウソクもらい”の風習そのものに注目する研究者もいます。川田耕教授によると、七夕に短冊や灯りをもって練り歩く行事は全国各地に様々な形で確認され、北海道のロウソクもらいもそのひとつなのだそうです。

ロウソクもらいは「地域で子どもを大切に育てる」という日本に古くからある文化そのもの。ロウソクもらいに類する風習はかつて日本の各地にありましたが、今もなお北海道に残り続けているのは貴重なことだということが、今回の調査で分かりました。
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