LIVE HOUSE タムラジオ

第54回“DoYou名言集”

2019年10月18日(金)

「アニメーション映画で“思想”が語れるんだ。“思想”を“思想”として語るというより物に託して語れる」by高畑勲

高畑勲さんを知らないなという人も「火垂るの墓」という映画を
見たことあるという人も多いと思います。
この「火垂るの墓」の監督をやっているのが高畑勲さんです。
宮崎駿さんとスタジオジブリを立ち上げてそこで活躍されていました。
その高畑勲さんの言葉を今日はご紹介します。
これは表現をする人の言葉としてとっても重みがあるし、よくわかるなと思う。
思想を語るのは自分の中の想いとか信念とかそういった言葉にも置き換えられるかもしれない。
それを人に伝えるという時に思想、言葉、信念に何かこう小難しい言葉のまま、
つまり思想に思想というレッテルをはって人に伝えるよりも物に託す、
高畑さんの場合はアニメーション映画にという事ですが、
それに託して語る事でそこにきっと命を吹き込むという事だと思うんですよね。
思想を言葉だけで語ろうとするとそれはとても見栄えがいいし、
意味もわかりやすいし、何かとってもかっこいいものに見えるんだけど。
でも、生きていく中でそれを考えようとすると
けっこうつじつまが合わない所が出てくると思うんですよ。
でもアニメーション映画の中で、信念にただの言葉ではない、
生きている人間たちがそれをアニメーション映画の中で行動にうつしたりとか喋ったりとかで
本当に生きているものになると思うんです。
この考え方は本当に物事を伝えようとした時に考えて考えて
そしてアニメーション映画の中でやるんだという所に行き着いた
高畑勲さんの素晴らしい考え方だと思います。

何か言葉のまま人に伝えようとすると時に偉そうな感じがするじゃないですか。
難しい事だったりすると特に、言った人だけが満足しているような状況だったり。
それをアニメーション映画、絵、小説、音楽。
そういった中で表現する事で生きている事と
同じようなテンションで与える事になると思うんです。

 “思想思想として語るというより物に託して語れるというのは、
本当の職人の言葉だなと想いました。

高畑勲さんの作品の中で僕が好きなのは「パンダコパンダ」という映画です。
これは演出を高畑さんがやっているんですけど、
とても人間が生きていくことのおもしろおかしさ、愛嬌、
そういったものを含めて生きていくのは
元気で美しい事だなとすごく実感出来るとても楽しい作品です。
パンダコパンダも興味ある人はぜひ見てみてください。

 

 

M「Summer in My Life」(SCOOBIE DO

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