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スキージャンプ小林4姉弟・長女引退 涙と笑顔のラストジャンプ

<伊藤杯シーズンファイナル大倉山ナイタージャンプ大会 14日・札幌市大倉山ジャンプ競技場>

雪解け前の3月、スキージャンプ競技を引退する選手達が大倉山の夜空に舞った。

国内大会の最後を飾る伊藤杯は、例年今シーズン限りで引退する選手達の「引退試合」となっている。引退する選手の中には、ミラノ・コルティナ五輪で混合銅メダルを獲得した小林陵侑選手の姉・小林諭果選手(31)の姿があった。

「ジャンプに出会わなければ良かったと思うくらい、苦しい事もたくさんありました―」

4姉弟全員がスキージャンパ―として活躍する「小林4姉弟」の長女・小林諭果選手がスキージャンプを始めたのは、年上の長男・潤志郎選手と年下の次男・陵侑選手に次いで3番目。小学4年生から競技生活をスタートした。

ミラノ・コルティナ五輪日本代表の髙梨沙羅選手よりも2歳年上、伊藤有希選手とは同い年という黄金世代の中で、共にトップ選手として女子ジャンプ界を盛り上げ、時に日本代表枠を争うライバルとして切磋琢磨した。幾つもの国内大会で優勝を重ねたが、調子を上げたタイミングがコロナ禍と重なり、代表選手の入れ替えが行われない不運が重なった事もあった。幼い頃からの悲願だった五輪出場の夢は叶わなかった。

優勝するつもりで臨んだという引退試合の結果は8位。

試合を終えた小林選手の目には光るものが見えたが、いつも以上に柔らかい笑顔で取材に応えてくれた。

「ジャンプに出会わなければ良かったと思うくらい、苦しい事もたくさんありました。それでもジャンプに出会えて良かったですし、出会わせてくれた兄弟には感謝ですね。こうしてインタビューを受ける事で、引退するんだという実感がわいてきました…やっぱり悲しいです!」

小林選手の晴れ舞台を優しい表情で見つめていたのは、4年前に現役を引退した茂野美咲さん。小林選手が入社した2017年からCHINTAIスキークラブで共に選手として過ごし、引退後は裏方として小林選手が出場するほぼ全試合応援に駆けつけた。最後の1年間は監督として小林選手に寄り添い、指導を行ってきた。

「コロナ禍の時は私が悔しいくらい、なんで代表に選ばれないのってくらいの成績が出てたので、色んな苦しい思いをしたと思います。(小林選手は)喜怒哀楽を表に出さないクールな子だけど、裏で声をかけたら、ボロボロ涙が溢れ出したような場面を何度も目にしてきたし、熱いものを内に秘めて頑張ってきた選手でした。苦しさを乗り越えてきたから、最後に笑顔で引退出来たんだと思います。本当に先輩として誇らしい選手でした。お疲れ様と言ってあげたいです。」

いつも笑顔を絶やさず、スキージャンプ関係者・選手・取材陣など、多くの人に愛された小林選手。一体、何百・何千回飛んできたのだろう。思い出深い大倉山で21年間にわたる競技生活に涙と笑顔で別れを告げた。

【大会結果】

★女子組

優勝 一戸くる実 226.3

2位 岩佐明香 199.4

3位 中山和 187.6

8位 小林諭果 140.4

★男子組

優勝 小林潤志郎 238.7

2位 佐藤慧一 224.4

3位 鈴木翔 215.7

03/14(土) 21:41

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