一戸くる実 国内無双の2連勝「負けちゃダメだと思いました」
<スキージャンプ 吉田杯ジャンプ大会・名寄>
全国各地からスキージャンパーが集う、国内ジャンプ冬の風物詩・名寄での2連戦が今週末行われた。きのうの大会に引き続き、女子組は21歳の一戸くる実選手が優勝。一戸選手は夏まで、髙梨沙羅選手らと共に海外を転戦していた日本代表メンバー。しかし、先月札幌で行われた全日本選手権大会の結果が振るわず、惜しくも冬のW杯出場メンバーに入る事が出来なかった。その悔しさで一週間程は涙が止まらなかったという一戸選手だが、今週末の名寄では終始笑顔が印象的だった。
優勝後のインタビューで一戸選手は自身の現状を振り返った。「行きたかったのはW杯だけど、目の前の試合は優勝しなければいけない。今シーズンのオリンピックは厳しくても、次の目標は来シーズンの世界選手権で活躍する事、年明けに札幌と蔵王で行われるW杯で活躍する事。ここ(国内)で負けていたらダメだと思いました。」
自身の課題はメンタル面。緊張しすぎるより、本番でもっともっと出来ると欲が出過ぎてしまうタイプ。今後は本番の舞台でも練習と同じく飛べるように、練習から緊張感を持って精神的な弱点の克服を目指す。
悔しい気持ちを押し殺して前を向く、一戸選手の言葉と表情から強い覚悟が感じられた名寄での2日間。2連勝で自信を付けた一戸選手が年明けの大会でも、目の前の一戦一戦に神経を研ぎ澄ます。
【大会結果】
★女子組
優勝 一戸くる実 218.0
2位 櫻井梨子 201.0
3位 岩佐明香 198.5
★男子組
優勝 中村優斗 225.0
2位 藤田慎之介 223.0
3位 池田龍生 221.0
※追記 一部文言を修正しました。