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赤字区間の「JR富良野線」軸は“観光” 利用促進を進めた沿線自治体…黄色線区の未来は 北海道

JR北海道が単独では維持困難とする8つの赤字区間「黄色線区」。

その1つ、富良野線は観光を軸にした利用促進に限界も見えています。

いま「黄色線区」の未来に求められることはー

黄色線区…富良野線の赤字額は14億円超え

JRの観光列車「富良野・美瑛ノロッコ号」。

老朽化を理由に、9月23日にラストランを迎えました。

ノロッコ号が走っていたのはJR富良野線。

旭川から富良野まで全長54.8キロの路線です。

(車内アナウンス)「丘のまちとして知られる美瑛町では地形を生かし、ジャガイモや小麦、アスパラガスなどが生産されています」

最終日には指定席が満席にー

(乗客)「子どもたちが乗りたくて憧れていた列車で、最後に乗ることができてうれしい」

沿道から手を振る人も…

期間限定の観光列車として28年間、沿線のにぎわいを生み出してきました。

富良野線は普段運行している普通列車が1時間に1本程度。

JR北海道が“単独では維持困難”とする赤字区間「黄色線区」です。

道内に8つある黄色線区。

その赤字額は合わせて155億円です。

富良野線単体で見ても14億円を超えています。

「JRと話をしていてもらちが明かない」上下分離方式に沿線から“強い反発”

JR北海道は国から年間367億円という莫大な支援を受け、黄色線区を維持しているのが現状です。

(JR北海道 綿貫泰之社長)「黄色線区の150億円を超える赤字を負担し続けるのは当社としても厳しい」

国から今年度末までに抜本的な改善方策を求められているJR北海道。

2026年4月、沿線自治体に提案したのが「上下分離方式」でした。

「上」つまり列車の運行はJR北海道が専念し、線路や鉄道施設を示す「下」にかかる費用を自治体が負担するというものです。

しかし…

(網走市 水谷洋一市長)「早急な上下分離の議論というのは地方には困難」

(音威子府村 遠藤貴幸村長)「JRと話をしていてもらちが明かない」

沿線自治体から強い反発を受け、協議入りさえ難しい状況に。

そして、先週…

(JR北海道 綿貫泰之社長)「上下分離は撤回させていただきます」

これまでのJR主体ではなく、国主体の新たな形で協議を進める方針を明らかにしたのです。

利用促進による収支改善には限界も…「国の補填を期待するしかない」

美瑛町に住む高校2年生・市川葉琉さん。

(市川葉琉さん)「僕が通学で使っている美馬牛駅です」

旭川の定時制高校に通うため、富良野線を利用しています。

(市川葉琉さん)「僕は定時制なので終電で帰っている。その時間までバスはない。そもそも高校に行けなくなってしまう」

高校では写真部に所属し、個人のSNSでも富良野線の景色を発信し続けています。

(市川葉琉さん)「写真にして発信することで来てくれる人が少なからずいるかもしれない。撮れました、良い感じです」

撮影後、いつもしていることが…

(市川葉琉さん)「富良野線で観光客の思い出になるかもしれないので、いつも手を振っています。JRも赤字で残していくというのも大変だと思う」

観光客に人気の美瑛町にある飲食店です。

店の売りは、ご当地名物にもなっているカレーうどんと…

(レストランKOERU 山田浩二オーナー)「JR美瑛駅の裏にあり、駅を眺めながら食事できるのが売り」

駅の近さが魅力の店にとって、鉄路の存廃は死活問題です。

(レストランKOERU 山田浩二オーナー)「JRで旭川から美瑛に来る人は、インバウンドも日本人もかなりの数がいる。なくなってしまったら大変」

富良野線を利用したという観光客はー

(大阪から来た人)「列車があったから来てみようとプランに入ったのでありがたい」

(石川から来た人)「路線沿いで行き先を探すので」

(石川から来た人)「路線がなくて厳しいとなると諦めていたかも」

富良野線の沿線自治体では、これまで「観光」を軸に利用促進を進めてきました。

(JR富良野線連絡会議 松本学さん)「グッズをつくってイベントや行事の中で配っている。沿線の小・中学生の絵画コンクールを開催して、富良野線を大事に思ってもらう“マイレール意識”とも言われるが、そうした取り組みもしてきた」

引退したノロッコ号も観光客の利用促進の1つ。

それに代わる観光列車として…

2027年から「青い星」が運行されます。

富裕層をターゲットとした高価格帯で、収支改善の一手と考えられています。

しかし、沿線自治体は利用促進による収支改善には限界があると感じています。

(富良野市 北猛俊市長)「同じことではダメでしょうね。(赤字を)改善する力は自治体・北海道・JRにもないということですから、公共交通として国に補填してもらうことを期待するしかないのかなと」

富良野市にある布部駅。

2024年に廃線した根室線の区間にあった駅です。

(布部駅再生プロジェクト 松原良成代表)「ほとんど当時のままですね」

市内で観光業などを営む松原良成さんです。

昭和初期に建てられた貴重な駅舎を守りたいと、2025年、地元の仲間と資金を集め、JRから布部駅の土地や建物を買い取りました。

(布部駅再生プロジェクト 松原良成代表)「一番のこの駅の目的は地域との密着。廃れていくのを止めたかった」

定期的にイベントを開催し、新たな観光スポットとして生まれ変わらせようとしています。

松原さんは廃線を知る市民として、「赤字路線を維持する意味」を考えなければならないと話します。

(布部駅再生プロジェクト 松原良成代表)「廃線は、いまこれだけ車社会となれば仕方ない部分も多々ある。残す意味をみんなで考えていくときにきているのではないか。人ごとではなく」

専門家は、既存の枠組みにとらわれないことが重要だと指摘します。

(北大大学院工学研究院 岸邦弘教授)「それぞれの線区でアクションプランや利用促進をしているが、それで黒字化するというのはそもそも難しい。改めて役割分担、誰がどのくらいの費用を負担できるのか。既存の枠組みで解決できないのであれば、新たな枠組みで考えなければいけない」

富良野線を含む「黄色線区」の未来をどのように描くのか。

これ以上、結論を先延ばしにすることはできません。

10/03(土) 07:23

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