車避難も“渋滞”巻き込まれ…自治体は対応に苦慮 GPS利用し避難経路の研究も 北海道で津波警報
4月20日の地震では、各地で高台へ向かう車の渋滞が発生しました。
国は避難について「原則徒歩」としていますが、車に頼らざるを得ない現実もあります。
命を守るためにどのような取り組みが必要なのでしょうか。
20日に震度3を観測した浦河町では、一時、津波警報が発表され、最大で40センチの津波が観測されました。
(記者)「高台の道路の脇に車が集まっています」
津波警報が出された沿岸各地で見られたのは、高台を目指して避難する長い車の列です。
渋滞が発生した場所もありました。
国は津波被害の拡大を防ぐため、乳幼児や高齢者がいるなどやむを得ない場合を除いて、原則徒歩での避難を呼びかけています。
しかしー
(町民)「(原則徒歩避難とは)分かっているんですけど、長距離なものですから。どうしても歩いていくのは無理ですね」
浦河町に住む佐藤さんです。
幼い2人の子どもがいて、車で避難せざるを得なかった町民の一人です。
徒歩での避難は困難なため、車内には簡易ベッドなどを備えています。
(佐藤久美子さん)「子どもができてから、車の中で過ごすこともあるだろうなって考えたので。車も一つの家と考えた時に、準備しておかないといけないなと思ったから」
今回の津波警報でも車で避難しましたが、「渋滞」に巻き込まれてしまいました。
(佐藤久美子さん)「スムーズに車に乗せて出発してというところまではよかったんですけど、途中でやっぱり道路が混んでいまして、そこだけがちょっとネックという感じでしたね」
津波警報が出た新ひだか町では状況に応じて車での避難を認めていますが、対応に苦慮しています。
(新ひだか町総務課 山下恵治課長補佐)「足の不自由な方などは近くの緊急避難場所にお願いしているんですけども、それでも無理という方のみ車での避難を了承しているところでございます。車での避難というのはかなりの渋滞を巻き起こす。渋滞に巻き込まれますと、逃げたくても逃げられないというような状況がございますので」
こうした現状を受け、ある研究が進められています。
(道総研北方建築総合研究所 今井崇嗣さん)「この機械(GPS)を使いまして、避難者の行動記録をとっております」
2025年、むかわ町で行われた避難訓練の映像です。
参加した住民や車に小型のGPSを取り付け、位置情報を記録。
こうした膨大なデータをもとに、徒歩と自動車利用を組み合わせて避難経路を分散するためのシミュレーションを重ねています。
(道総研北方建築総合研究所 今井崇嗣さん)「この障害(渋滞)というものをどの程度まで解消できるか、もしくはできないのか。そういったところを一緒にこの研究を通じて、自治体の方と考えていきたいなと考えています」
現状のルールにとらわれず、いかに命を守ることができるのか。
津波避難のあり方が問われています。