莫大な交付金で温泉施設も建設 住民の審判は…安全と経済的恩恵に揺れるマチ 北海道・神恵内村長選
いわゆる「核のごみ」の概要調査への移行が争点となった後志の神恵内村長選挙は、推進派の現職が7選を果たしました。
過疎と向き合うマチの未来に、住民はどのような思いを抱いているのでしょうか。
2月22日に投開票の神恵内村長選挙。
現職の高橋昌幸さんが有効投票総数の95%以上を集め、7選を果たしました。
(高橋昌幸さん)「最終処分場の必要性。国として取り組まなければならない必要性。これを訴えたつもりでございまして、そのことは一定の評価をいただいたのかなと思っています」
人口700人ほどのこのマチで2020年に始まったのが、原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場選定に向けた調査です。
この調査を次に進めるか否か。
選挙の争点として注目されていました。
(村民)「当然の結果だなと思った。こんな過疎のマチで何もないものやってもらうこと」
(村民)「私たちは村長さんについてきたから、村長さんの考え通りやっていこうとは考えています」
最終処分場の建設には3段階の調査が必要で、神恵内村はすでに第1段階の「文献調査」が終了。
国からは2年間で15億円以上の交付金が与えられています。
(長岡記者)「去年オープンした日帰り温泉です。この施設の事業費の一部は交付金で賄われています」
住民の憩いの場にもなっている温泉施設の建設費は半分近くが交付金です。
次の「概要調査」に進めば、さらに多くの交付金を得ることができます。
カフェを営む木滑雄大さんです。
泊原発にほど近い村は、これまでも経済的な恩恵を受けてきたといいます。
(木滑雄大さん)「原子力発電所の作業員の方が来て、宿泊施設に関しては経済が回っている状況だと思います」
鈴木知事は泊原発3号機の再稼働に同意しています。
しかし、核のごみの概要調査に移行する場合は反対する姿勢を崩していません。
それでも、小さなマチにとっては過疎から生き残る手段だと木滑さんは話します。
(木滑雄大さん)「プルトニウムの横で寝たいかって言われたらそんなことはないけど、すぐそばにもう核のごみはありますからね。それをしっかりした施設で監視し続けていける状況になるのがベストだと僕は思います」
いまだ先が見通せない核のごみの問題。
今後どのように議論を進めていくのかが問われています。