「砂川ではもうできない」謝罪受けてもぬぐえぬ不信感 最高裁は危険性より公益性を重視 北海道
北海道・砂川市のハンターがクマの駆除を巡り、猟銃の所持許可が取り消された問題で最高裁の判決を受け北海道公安委員会がきょうハンターに謝罪し猟銃を返還しました。
(池上治男さん)「無事に戻ったよ。銃はガンロッカーにいれて、いまその場で記載したから」
砂川市のハンター池上治男さんです。
4月9日、池上さんのもとに7年ぶりに猟銃が戻りました。
また有効期限が切れていた銃の所持許可証も手書きで修正されました。
(池上治男さん)「当然だなと思ったよ。当然元の位置にもどっただけ。ハンターは命かけてやっているんだってことを見てくれたと思うよ。遊びでやっているわけじゃないから」
2018年、池上さんは市から依頼を受けてクマを駆除しました。
ところが、周囲に民家があったことなどを理由に、北海道公安委員会から銃の所持許可を取り消されました。
道に処分の撤回を求めた1審の札幌地裁では、池上さんの訴えを全面的に認める判決が言い渡されました。
しかし、札幌高裁では1審判決が取り消され逆転敗訴となりました。
その後、池上さんは上告し、先月の最高裁判決では二審の判決が破棄されました。
異例ともいえる最高裁での逆転勝訴でした。
「完全決着です。ありがとうございます」
発砲による危険性は認めながらも、クマ駆除にあたるハンターの公益性をより重視したのです。
(道警生活安全部 徳田一志保安課長)「池上様にご不便・ご負担をおかけしたことに対しおわび申し上げます」
最高裁の判決を受け北海道公安委員会は9日、池上さんに謝罪し猟銃を返還しました。
(池上治男さん)「長い7年間だったね。正しいことをやってきたという思いを持っていたので7年間は長かったが有意義だったという見方もできる。全国のハンターに対する見方も変わってきたんじゃないかなと思っています」
池上さんは銃を持てなくなってからもクマ対策の現場に立ち続けました。
それでも市内での銃によるクマ駆除はもうできないと話します。
謝罪と猟銃の返還を受けてなお行政への不信感がぬぐえないためです。
(池上治男さん)「もう、砂川ではもうできません。はっきり言っておきますけど。砂川で町の中でやるとか銃を使ってとかはできないから」
クマによる被害が全国で多発する中ハンターは命をかけてクマと向きあっています。
覚悟やリスクを理解し安心して活動できる環境を整えることが大きな課題です。