急増する「墓じまい」 終活が生む新しい供養 樹木葬・海洋散骨に入棺体験…変わる弔いのかたち
9月23日は「彼岸の中日」。
多くの人が墓参りに訪れていましたが、いま墓を巡り、ある変化が起きています。
「次の世代に負担をかけたくない」という考え方が広がっているようです。
秋晴れとなった彼岸の中日。
札幌市内の霊園には朝早くから多くの家族連れが訪れ、静かに手を合わせていました。
(子ども)「ずっと楽しく暮らせますようにって」
(参拝者)「私の妻が6月に亡くなった。寂しいだろうけどそのうち行くからということで」
ある変化を感じる人もー
(参拝者)「通りすがりに見てきたが、(墓が)なくなっているところがありましたね。墓じまいっていうんですか」
実際に霊園内を歩いてみるとー
(山本記者)「こちらの一角は墓石が撤去されて更地になっています」
いたるところに更地となった区画がありました。
実は、墓じまいによる区画の返還が急増しているのです。
札幌市によりますと、市営霊園での返還区画数は昨年度、過去最多となる675区画に達し、10年前のおよそ6倍になりました。
区画の面積にもよりますが、返還する費用は一般的におよそ20万円からです。
(札幌市ウェルネス推進部 前野良史さん)「お孫さんですとかお子さんに迷惑をかけたくないということで、墓じまいする人が増えている」
「次の世代への負担を減らしたい」
その思いは「終活」への関心にも繋がっているようです。
札幌市内で開かれたイベントには、多くのシニア世代が詰めかけていました。
(来場者)「残された家族に迷惑をかけないようにするためにはどうしたらいいのかということで、いま考えています」
(来場者)「もうこれからお墓をつくってという時代ではないですもんね。子どもに負担をかけるのも嫌だし」
イベントでは遺影撮影ができるブースのほかに、終活について身近に考えてもらおうとこんな体験もー
(山本記者)「入る体験が初めてなので…でもやっぱり、考えるきっかけにはなりますよね」
この体験を実施していたのは、骨を海に還す海洋散骨を手掛ける会社です。
費用はおよそ8万円から。
墓じまいが増えたここ数年で需要も急増しているといいます。
(NK北海道 本間竜太代表)「年間で大体いまは40件ぐらいの依頼、相談だけでいうと100件以上受けることがございます。合同納骨堂を利用するよりも海で散骨してあげたいという人が多いのかなと思います」
道東の釧路市でも新たな動きがー
(本行寺 菅原麻子さん)「こちらが樹木葬になります」
樹木や花を墓標代わりに埋葬する「樹木葬」。
ペットと一緒に埋葬ができることも人気の理由で、費用はおよそ25万円からです。
こちらの寺ではこの1年でおよそ360区画の契約があったということです。
(本行寺 菅原麻子さん)「誰かに任せるとなると負担じゃないかと思われる方がたくさんいらっしゃって。そういう時に、お参りできる場所に来たいという方がすごく増えていると思う」
故人を想う心はそのままに。
墓のかたち、そして供養のあり方が大きく姿を変えています。
