【北海道の火山】札幌管区気象台が3つの火山活動を解説 十勝岳は積雪期の噴火にも警戒を
札幌管区気象台は2026年10月20日、雌阿寒岳・十勝岳・北海道駒ヶ岳の3火山の状況について発表しました。
いずれも噴火警戒レベルは2(火口周辺規制)です。
十勝岳は10月16日にレベル3から2へ引き下げられ、北海道駒ヶ岳は10月2日にレベル1から2へ引き上げられました。雌阿寒岳はレベル2が継続しています。
雌阿寒岳の噴火警戒レベルは2です。
気象台は、噴煙活動は活発さを維持しつつも徐々に低下傾向にあるとしています。
地震活動は概ね低調で、火口方向が下がる傾斜変動が続いています。
3月以降、噴火は観測されていません。
「ポンマチネシリ96-1火口」の噴煙は、2025年9月の噴火前よりは多い状態ですが、5月頃以降は減少傾向が続いており、噴煙活動に衰退が認められるとのことです。
2025年9月以降続いていた、「ポンマチネシリ火口」方向が上がる傾斜変動は、5月に反転しました。
その後は概ね火口方向が下がる変動が続いています。
「96-1火口」付近の火山性地震は、時折増減はあるものの、6月以降は概ね少ない状態で推移しています。
気象台は、短期的にわずかな盛衰はありつつも、長い目で見ると複数の項目で活動の低下傾向が認められるとしています。
10月16日に上徹別カメラで撮影された映像でも、2026年4月と比べて「96-1火口」の噴煙量は明らかに少なくなっています。
赤外熱映像装置による観測では、噴火直後に「96-1火口」西壁に新たな噴気孔が形成されていましたが、現在、その新たな噴気孔からは噴気は認められていません。
十勝岳は10月16日、噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げました。
気象台によると、引き下げ以降も状況に大きな変化はないということです。
8月6日のごく小規模噴火以降、噴火は発生していません。
ただし、噴煙・噴気活動は引き続き盛んで、熱活動は活発な状態です。
火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も、1日あたり1000トン前後と多い状態が続いています。
「62-2火口」付近の浅いところでは、地震の一時的な増加や火山性微動の発生などが観測されています。
2026年4月以前と比べると、引き続き活発な状態です。
主に「62-2火口」周辺で起こっている地震は、7月頃からたびたび増減を繰り返して高まっていましたが、現在は低下傾向にあります。
山麓の硫黄沢観測点で振幅の大きな火山性地震は、8月中旬から9月中旬に増加していました。
その後減少し、前30日間の回数は0回となっています。
気象台は、積雪期にマグマ噴火が発生すると、融雪型火山泥流が発生し、ごく短時間で居住地域に被害を及ぼすおそれがあります。
そのため、山体に十分な積雪が維持されている間に、再びレベル3の判定基準を満たしてマグマ噴火の可能性が高まった場合は、レベル3ではなくレベル4を発表します。
例年は概ね11月後半から翌年5月下旬頃にかけての期間で、実際の積雪量を見て総合的に判断し、決定するということです。
北海道駒ヶ岳は10月2日、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げました。
9月23日頃から、山頂火口原浅部を震源とする振幅の小さな火山性地震の増加がたびたび観測されていました。
9月26日頃からは、山頂火口原方向が上がる傾斜変動も観測されています。
10月2日0時以降、地震が急増し、傾斜変動もやや加速したことから、レベルが引き上げられました。
10月3日以降、地震活動は低下し、現在は地震の少ない状態です。
傾斜変動も、地震の減少とともに鈍化しています。
ただし、傾斜変動は反転するまでには至っていません。
気象台は、少なくとも山頂火口原直下が膨張した状態を維持している可能性が否定できない状況が続いているとしています。
山頂火口原付近のカメラでは、昭和4年火口から時折噴気が上がるのが確認されています。
山麓のカメラからはほとんど見えないごくわずかなもので、これまでにもありふれた現象、つまり平常通りとされています。
火口原付近の地表面温度分布にも大きな変化はないということです。
