凶悪な事件に悪質な犯罪…2025年北海道の事件事故を振り返る 裁判で真相が見えてきた注目事件も
北海道内では2025年、凶悪な殺人事件や悪質な犯罪が相次ぎました。
なかでも全国の現役教員による盗撮事件は教育現場に衝撃を与えました。
道内でも相次ぐ盗撮の実態に迫ります。
(盗撮被害にあった女性)「平気な顔で普段接している方がそういう犯罪を犯しているということなので。本当に気持ち悪い」
盗撮被害にあった、札幌市内に住む女性です。
ある日、自宅の天井に身に覚えのない火災報知器が取り付けられていました。
(盗撮被害にあった女性)「自分一人しか住んでいないはずの家に物が増えているっていう。火災報知器の形のカメラだった」
これは、犯人を突き止めるために部屋に設置したカメラの映像です。
映っていたのは、知人の男性でした。
この火災報知器型カメラのデータを抜き取る映像が、逮捕の決め手となりました。
いまも当時のトラウマがよみがえってくるといいます。
(盗撮被害にあった女性)「いまでも試着室に入ったり、個室に入るときに天井を気にしてしまったり、最初のころは外に出るのも怖くて、日常生活にも支障があったというのが私の経験です」
こうした盗撮事件は、道内で2025年で300件以上も発生。
いまも後を絶たないのが現状です。
盗撮事件は教育現場でも…悪質化するその手口
【9月 千歳】
(記者)「柘野容疑者が下を向いてゆっくりと階段から降りてきました」
なかでも全国の現役教員による盗撮事件は教育現場に衝撃を与えました。
北斗中学校の元教諭・柘野啓輔被告は、道内の中学校内で当時13歳の女子生徒の下着姿を盗撮したなどの罪に問われています。
この事件をめぐっては、全国の教員7人が児童の盗撮画像などをSNSグループに共有し、全員が起訴されました。
柘野被告が勤務していた中学校では先週末、教諭に事前告知せずに「隠しカメラ」の抜き打ち検査がありました。
(千歳市教育委員会教育部 大西正起次長)「二度と起こしてはならない、起こさせないという強い意志を持って取り組みを進めなければならない」
盗撮の手口はより悪質なものになっています。
(百瀬記者)「柘野被告が使用していたとみられるペン型カメラとよく似たものを用意しました。クリップの部分に小型カメラが取り付けられているため、簡単に動画や写真を撮影できてしまいます」
いまやインターネットなどで容易に手に入れることができる小型カメラ。
(記者)「現在、ペン型カメラで撮影しています」
映像や音声も鮮明に撮影できます。
道内でも相次ぐ盗撮事件。
被害を防ぐためには、どのような対策が必要なのでしょうか。
(防犯アドバイザー 京師美佳さん)「年齢・性別問わず誰でも被害にあうというのが盗撮ですので、例えば人が多いところのトイレを利用する場合、何か不自然な置物がないかどうか、エスカレーターでしたら後ろの人と2段以上あける、そういうことを気にしていただくだけでも変わってくる」
爆発や死体遺棄事件…なくならない事件事故
【5月 札幌・すすきの】
2025年も相次いだ事件や事故。5月には札幌の繁華街が騒然としました。
(根本記者)「爆発現場です。2階部分を見るとガラスが大きく割れているのが分かります」
ジンギスカン店で爆発が起き、店員など男女4人がけがをしました。
厨房にあったカセットボンベが破裂し、炭の上に落ちて爆発したとみられています。
【9月 恵庭】
車の間をすり抜ける1台の乗用車。男が運転する乗用車が車9台に衝突しました。
(被害者)「茶色の車から人が降りて、すごい勢いで走って行った」
現場から逃走した今北知宏容疑者は、逃走中に乗用車を奪う強盗致傷事件を起こした疑いでも逮捕されました。
司法の過程で真相が明らかに…注目事件の行方
【1月 札幌】
全国的に注目された裁判も相次ぎました。
すすきののホテルの客室から頭部のない男性の遺体が見つかった事件で、殺人ほう助などの罪に問われている田村修被告。
(田村修被告)「娘の犯行を知ったのは、事件があったあと」
一審で執行猶予付きの有罪判決が下され、1月には控訴審判決が言い渡されます。
しかし、娘の瑠奈被告の初公判はいまだ見通しが立っていません。
【2月 旭川】
旭川でも事件の真相が明らかになり始めました。
(小西優花被告)「どんな結果、どんな判決であろうと覚悟はできています。本当にすみませんでした」
神居古潭で17歳の女子高校生を殺害した罪などに問われていた小西優花被告に懲役23年が言い渡され、有罪判決が確定しました。
残る内田梨瑚被告ついては、初公判に向けた争点整理が続いています。
【11月 釧路】
(武田記者)「玄関前で一礼しました」
釧路地裁に姿を現した桂田精一被告。
運航管理者としての注意義務を怠り遊覧船を沈没させ、乗客乗員26人を死亡させた罪に問われています。
遊覧船に乗っていた小柳宝大さんの父親です。
(小柳宝大さんの父親)「いまでも夜中にパッと起きてから、これは夢じゃなかったなと。この世からいなくなったなと思いますよね」
父親は福岡県から釧路地裁に足を運び、ノートに記録を書き留めています。
初公判での桂田被告の表情が目に焼き付いているといいます。
(小柳宝大さんの父親)「あくびしたり、壁の時計をチラチラ見たり、下を向いて寝ているような状況ですね。初公判で、あんな被告人の態度を見たら、これは(裁判に)全て出ないといけないなという気持ちになった」
裁判から戻るといまだ行方不明の息子に語りかけます。
(小柳宝大さんの父親)「人のせいにばっかりするなって。それはおかしいよって。あとはパパ頼んでおくよって写真が言ってますよね」
2026年、どんな判決が下されたとしても父親の思いが報われるわけではありません。
それでも息子と一緒に裁判に参加したいー
息子の写真を胸に収め、裁判に臨み続けます。