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消費者離れに価格下落 先行き不透明のコメ事情… 在庫率は“過去最高”40% 販売競争加速か

「令和のコメ騒動」からまもなく2年。

北海道内のコメ農家ではことしも田植えが始まっています。

消費者のコメ離れに価格の下落。

先行きが不透明なコメの現状を取材しました。

コメ農家「6~7トンの在庫があって…読みが甘かった」

道内有数のコメどころ・後志の蘭越町です。

5月から田植えが始まりました。

5代続くコメ農家の中村達哉さんです。

2025年とほぼ同じ、120トンの収穫を見込んでいます。

(コメ農家 中村達哉さん)「みんなにおいしいコメを届けたいので、作り手としてはうれしい気持ちですね」

中村さんが作るコメは評価が高く、2025年は山形県のコンテストで金賞を受賞しました。

コメの品質に自信はあるものの、現在、倉庫には大量の在庫を抱えています。

(長岡記者)「ここにある量は?」

(コメ農家 中村達哉さん)「ここで4トンぐらい」

中村さんは収穫したコメの3割程度を個人客向けに販売しています。

2025年は注文が殺到し、客も大幅に増えたため、2026年は在庫の量を増やしました。

ところがー

(コメ農家 中村達哉さん)「思ったよりはけていないのが現状。6~7トンの在庫があって、正直はけないと思います。読みが甘かった」

2025年のコメの収穫量は国内でおよそ746万トン。

一方、国の需要見通しは704万トンで、40万トン以上余る計算になります。

(コメ農家 中村達哉さん)「卸売業者も『在庫を抱えすぎて買えない』と聞いたので、そこに売る手段はない。(在庫が)はけないのなら値段を下げるしかない」

店頭からコメが消え、価格が高騰した「令和のコメ騒動」からまもなく2年。

現在の価格はどうなっているのでしょうか。

(長岡記者)「売り場には60種類以上のコメが並んでいますが、最も安いものは3000円台後半のブレンド米です」

こちらのスーパーでは、ゆめぴりかが5キロで4730円。

ブレンド米は3866円で販売しています。

全国のスーパーでの販売価格は、年明けに過去最高の4416円となりましたが、それ以降は下落傾向にあり、最新の価格は3742円となっています。

「コメ離れが起きている」米穀店にも在庫が…

消費者はいまの価格をどう見ているのでしょうか。

(来店客)「全然安くなっているとは思えない。高止まりという感じです」

(来店客)「パンを買ったり麺を買って家計に響かないようにしている。コメは好きなので、高いままではなくいままでのように戻ってほしい」

(ラッキー山の手店 井上裕康店長)「正直に言うともう少し下がって客が気軽に手に取りやすいコメになってほしい」

釧路や札幌に店舗を展開する米穀店「こめしん」です。

道産米を5キロ4000円台で販売していますが、売れ行きは鈍くなっているといいます。

(こめしん 徳山大介社長)「コメの消費量は少なくなっていて、コメ離れは起きていると感じている。会社全体の在庫量としては余ってきている」

2025年の秋に仕入れを大幅に増やしたという米穀店。

精米工場を見せてもらうとー

(長岡記者)「いっぱい並んでいますね」

(こめしん 徳山大介社長)「札幌の店舗に毎日発送する玄米です」

この工場には30トンのコメがありました。

会社としてはおよそ900トンの在庫を抱え、例年にないほど余っているといいます。

(こめしん 徳山大介社長)「(去年)客がすごく増えたので、また同じぐらいの客に買ってもらえると思ってそれなりの量を仕入れたんですけど、(客が)スーパーに流れた分が一定数あって、その分が残っているという感じ」

コメの民間在庫量は2025年より100万トン近く多い277万トン。

在庫率はおよそ40%と過去最高の水準で、コメ消費の減少が背景にあります。

こめしんでは販路を拡大しようと、飲食店への販売も手掛けています。

(配達員)「毎度さまでした。コメを置いていきます」

2025年にオープンした釧路町のラーメン店です。

一番人気はとんこつと魚介だしのスープが特徴の濃厚醤油ラーメン。

ランチ時にはライスを100円で提供し、毎月、道産米を80キロほど使っているといいます。

(ばかあたり桂木店 車田光男店長)「ガス釜で炊いているので、ごはんがおいしいと言う客は多い」

客からの評判は上々ですが、コメにかかるコストは経営に重くのしかかっているといいます。

(ばかあたり桂木店 車田光男店長)「コメだけでなく全体的に物価高で、いまのところ値段をかえずに提供する予定だが、できれば少し下がってもらえると助かる」

飲食店からの注文の増加が見込めない中、価格競争に突入せざるを得ないとみています。

(こめしん 徳山大介社長)「1年分を去年の秋に仕入れていて、仕入れの原価は変わらないので、自分たちの利益を削って販売しなくてはならない状況になってきている。コメ余りの状況なので、新米に関しては下がる可能性の方が高いと思う。いまは正直不安の方が大きい」

今後、コメの価格はどう推移するのかー

専門家は業者による販売競争が加速すると指摘します。

(酪農学泉大学 相原晴伴教授)「(今後)在庫を持っている流通業者は在庫をなるべく減らすように、販売競争によって値段は下がっていく」

また、コメの流通に政府は積極的に関与すべきと主張します。

(酪農学泉大学 相原晴伴教授)「(コメが)余ったら政府が買い入れ、不足したら放出するという流通面での政策の充実が必要」

蘭越町のコメ農家・中村さんです。

価格の下落や消費者のコメ離れに加え、中東情勢の悪化が経営を圧迫しています。

(コメ農家 中村達哉さん)「メーカーに問い合わせたら、(ハウス用の)ビニールは今後情勢が見込めないため受注停止と言われていて、受注が開始されたとしても値段は読めない状況。食料を日本国内でまわすために自分たちも努力しているので、見合った対価がほしい」

令和のコメ騒動以降、価格や政策に翻弄されてきたコメ農家。

先行きに不安を抱えながら、コメ作りに打ち込んでいます。

05/31(日) 06:57

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