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「10ヘクタール以上の場所」球団のキーマンを直撃!自治体側の熱意重視 ファイターズ2軍移転の行方は?

(ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 小林兼開発本部副本部長)「暮らしの中にファーム施設野球っていうものが入っている、そんな空間にしたい。少なくても10ヘクタール以上の場所であり、できるだけ広いほうがいい。アクセス、広さ、自治体が考えるマチづくりと全てかけ合わせた上での総合的な判断になる」

ファイターズの2軍本拠地の移転が発表されてから半年。

すでに誘致合戦が過熱していますが、どのマチになるのでしょうかー

球団側のキーマンに直接、話をうかがいました。

ファイターズ2軍誘致に盛り上がるマチ

先週末、JR苫小牧駅前に灯った青色のイルミネーション。

恒例の点灯式ですが、2025年は特別な思いが込められていました。

(苫小牧市2軍誘致活動公式アンバサダー 金澤有希さん)「わたしたちは北海道日本ハムファイターズ2軍本拠地誘致を応援しています。ファームの鼓動、苫小牧へ!」

イルミネーションはファイターズのイメージカラー。

金澤市長もユニフォームを身に付け、2軍誘致に向けて意気込みを見せていました。

(地元の野球少年)「苫小牧は涼しくて雪もそんなに降らないので、ぜひ(2軍が)来てほしいです」

ファイターズの2軍本拠地の移転が発表されてから半年。

球団側のキーマン・小林兼さんを直撃しました。

(宮永キャスター)「現時点での進捗状況はだいたいざっくり何%と言えますか?」

(ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 小林兼開発副本部長)「着々と進めてはいるので進捗としては3~4割」

これまでに6つの都市が候補地としてあげられ、誘致活動も始まっています。

現在のところ、江別市と恵庭市、苫小牧市と札幌市で期成会が発足されました。

(宮永キャスター)「熱心に誘致しているところもありますが、熱意は伝わっていますか?」

(ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 小林兼開発副本部長)「ニュースなどで見ています。地域の歓迎の雰囲気があるのは非常に重要かと思いますので、歓迎の気持ちがあるのは嬉しい」

広い土地が必要!球団側が考えるイメージは?

小林さんが考える新しい本拠地の構想はー?

(宮永キャスター)「だいたいどのくらいの広さをイメージしていますか?」

(ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 小林兼開発副本部長)「野球の関連施設ではなくて、住宅・商業・宿泊施設を考えますと少なくても10ヘクタール以上の場所で、できるだけ広いほうがいい。正直10ヘクタールでは足りない、そんな広さが必要」

球団側が描くのは、2軍本拠地を中心にした新たなマチづくり。

構想の実現には広大な土地が必要だといいます。

10ヘクタール以上の広さというと、例えば、北広島市のFビレッジは32ヘクタールほど、そのうち、エスコンフィールドはおよそ5ヘクタールで、2個分以上の土地が必要だということです。

果たして、そうした広大な土地は候補地の都市にあるのでしょうかー

苫小牧市ではー

(総合制作部長)「10ヘクタール以上の用地の確保が必要であると想定している」

市によりますと、駅前などを含めて数か所の候補地を提案していて、「球団の構想を形にできるようなまとまった土地」だということです。

また、江別市も「市内複数か所の実現可能性について検討を進めている」と、候補地の選定に着手しています。

恵庭市では、駅や国道に近い西島松地区を候補地の一つとして検討していますが、市街化調整区域でもあり、選定は難航しています。

(恵庭市 原田裕市長)「広い土地を展開するとすれば、いまの市街化区域の中ではなかなか難しい。市街地を広げることも考えないといけない」

千歳市は「土地の確保や財政負担など多くの課題がある」と慎重な姿勢をみせています。

北広島市の上野市長は12月15日の市議会で、「財政負担も含めて慎重に進めていく」との説明にとどまりました。

残る札幌市はー

(秋元克広市長)「現状で更地で直ちに使える土地はありません。使える場所があるかもしれませんが、現状で制限をクリアできて提案できる土地を見つけて決断できる状況ではまだありません」

候補となる土地はまだ見つかっていないといいます。

(北海道日本ハムファイターズ2軍施設を札幌市内に誘致する会 吉田健一共同代表)「多くのみなさんと連携し、その思いを市長・行政へと届けていきます」

15日、札幌市南区の住民らが期成会を設立し、中心部で署名活動を始めました。

共同代表の吉田さんは市の誘致活動についてー

(北海道日本ハムファイターズ2軍施設を札幌市内に誘致する会 吉田健一共同代表)「札幌市内であれば(土地は)あると思うんですよね、やる気になれば。市長さえやる気になれば勝ち取れると思います」

市民らの誘致活動が本格化する中、自治体には一定の財政負担も見込まれます。

自治体の経済負担は…?「何十年先を見越して判断を」

(宮永キャスター)「自治体の負担は?」

(ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 小林兼開発副本部長)「負担は自治体側で何十年先を見越して誘致するのかしないのかという判断かと思います。我々の考えているコンセプトに共感いただいて、経済効果の面も含めて考えられるということであればぜひ前向きにご検討いただきたい」

大手のコンサルティング会社によりますと、2軍本拠地の開業後10年間でおよそ1422億円の経済波及効果が見込まれ、税収も113億円ほど増加すると試算しています。

交流人口も増え、マチの活性化に繋がるとされています。

そのメリットは市民にもー

(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 大野知也ディレクター)「シビックプライドという言い方をしますけど、街とか地域の誇りが大きく醸成することが期待されている。エスコンが出来る前と出来た後で何が変わったか。1番良くなったのが地域に対する愛着とか誇りだった。ファイターズというスポーツのブランドを通して地域に住む価値が上がってくると、地域に留まろうとか移住する人が増える」

果たして、2軍の本拠地はどこにできるのでしょうか?

(宮永キャスター)「この自治体とやってみたいという手ごたえは?」

(ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 小林兼開発副本部長)「どの自治体からも前向きな話はいただいていると思っている ここと一緒にやりたいといのうは現時点で濃淡ついているっていう所まではいっていないと思います」

(宮永キャスター)「重視するポイントは?」

(ファイターズ スポーツ&エンターテイメント 小林兼開発副本部長)「立地として新千歳空港、エスコンフィールドとの距離というのは、事業・チーム運営としては非常に重要な部分と思っているんですけど、行政・自治体側の熱量、サポート体制は重要であると考えています」

自治体や市民の熱意もカギとなる新ファーム構想。

ファイターズは2026年6月までに候補地選定を目指す考えです。

12/21(日) 07:13

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