「豊作の年に輸入の話を…」 米国産ジャガイモに農家懸念 “解禁”をめぐる動きに関係者は 北海道
いま北海道内で収穫期を迎えているジャガイモを巡り、アメリカ産の輸入解禁の可能性が高まっていて、農家からは懸念の声があがっています。
こんがり揚がった中山峠の名物「あげいも」。
(訪れた人)「うま!しみます。このために来た。むちゃくちゃうまい。ずっとここに来ようと思っていた。よかったです」
地元・羊蹄山麓で採れたジャガイモを使った人気商品です。
(阿部記者)「蘭越町のジャガイモ畑です。収穫シーズンを迎え、どんどん土の中からジャガイモが掘り起こされています」
蘭越町で40年近くジャガイモ栽培を続けてきた下口哲さんは、収穫の喜びを感じながらも、ある「懸念」を口にします。
(下口哲さん)「いずれくるっていう話は昔からしていたので。特にことしみたいに豊作の年にわざわざ輸入のものを持ってくるというのもどうかなと」
それは、アメリカ産生ジャガイモの輸入解禁をめぐる動きです。
病害虫が国内に入り込むのを防ぐため、アメリカ産の生ジャガイモはポテトチップスとして加工される一部を除いて、原則輸入が禁止されています。
しかし、アメリカは販路を拡大しようと、日本政府に全面的に輸入を認めるよう求めていて、農林水産省は現在、病害虫のリスク評価を行うなど、輸入解禁に必要な手続きを進めているのです。
(下口哲さん)「桶に入って、靴底の土を落として、泥を落とすような感じですよね」
病害虫に弱いというジャガイモ。
下口さんも対策を徹底する一方で、輸入解禁による病害虫の侵入リスクを懸念しています。
(下口哲さん)「家庭菜園で作ったものが、イヌやネコ、この辺ならシカが土壌を踏んで畑に入ったりするとか。そのへんが心配ですよね」
こうした政府の動きに、JA北海道中央会は…
(JA北海道中央会 樽井功会長)「ジャガイモの生産基盤を損なう米国産ジャガイモの輸入を断じて容認できない」
専門家は病害虫のリスクをどう管理していくかが課題だと指摘します。
(北海道大学 小林国之准教授)「(アメリカ産の)イモが入ってくるということに伴って、一度入ったら除くことができない病害虫のリスクというものも同時に私たちは受け入れざるを得ない。国としてはしっかりコントロールをすることがいま求められている」
アメリカ産生ジャガイモの輸入解禁をめぐる動き。
農家が今後も安心して生産を続けられるか、慎重な議論が求められます。
