おもちゃに夢中な大人が続出!少子化進む中…玩具市場の規模は右肩上がり 売り上げ伸ばす理由 北海道
少子化が進む中、「おもちゃ」や「絵本」といった「子ども向け」の商品が売上を伸ばしているんです。
その理由を探ると、いまの時代ならでの「ある変化」が見えてきました。
レーシングカーに夢中な大人たち 使ったお金は…「230万円くらい」
急カーブや起伏のあるコースを猛スピードで走り抜けるレーシングカー!
白熱のレースを楽しんでいるのは…子どもではなく大人たちです。
(男性)「楽しいですよね、シンプルに。仕事で疲れて、みんなでレーシングカーで遊んでリフレッシュできるというか」
札幌市西区のおもちゃ店に広がる、全長およそ120メートルのレーシングコース。
この店では隔週で大会が開かれていますが、参加者のおよそ9割が大人だといいます。
マシーンを走らせ…
レースが終わるとすぐに調整に入ります。
そのまなざしは真剣そのものです。
(父親)「妻・長男・二男でレーシングカーを4人でやっている」
家族ぐるみで大会に参加しているというこちらの男性。
子どもの付き添い、かと思いきや…
(二男)「自分はお父さんに引きずり回されてやれって言われたけど、やってみるとメンテナンスしたり走らせたりおもしろくて」
おもちゃと侮るなかれ!
そんなお父さんのマシーンは、細部までこだわりが詰まっています。
(父親)「こちらはパーツ類になります。ギア、スペーサー、ローラー、ビス」
こだわりの結果…
(父親)「少ない方だけど230万円くらい(かかっている)。多い人はもっと多いと思う」
実はいま、おもちゃに夢中になる大人が続出しているんです。
(男性)「生きがいです。レーシングカーのために生活をしている。ほぼ毎日いじっている」
(女性)「レーサー仲間と声を掛け合ってできるのも楽しいし、レースも楽しい」
(男性)「友達とこの歳になってもワイワイ楽しめるのが自分は楽しい」
こうした大人たちを象徴する言葉が「キダルト」!
「キッズ」と「アダルト」を合わせた造語で、子どもの心を持った大人を意味します。
おもちゃ市場を支えるキダルトたち「好きだと素直に言える世の中」
少子化が加速し、子どもが減り続けている中…
市場規模は反比例するように右肩上がり、昨年度は1兆円を超え、過去最高を更新しました。
この「キダルト」こそが、いまのおもちゃ市場を支えているんです。
「キダルト」をターゲットにしているという店側も、確かな手応えを感じています。
(おもちゃの平野 平野裕康社長)「少子高齢化の最前線にいる市場。どこに活路を見出していくのか、メーカーも売り場も共通課題。大人が昔買えなかったけど今なら若干お小遣いに余裕があるよねって買いに来てくれる。正直言うと(客の)8割くらいは大人です」
(母親)「同じの当たっちゃいました。ケンカしなくてすむね、お姉ちゃんと」
札幌市中央区のカプセルトイコーナーにも、子どもに混じって大人の姿が!
(男性)「きた!コンプリートしました。4000円ぐらい使っています。(金額を)数えたくなかったです」
こちらの2人は、子どものころに流行ったキャラクターのカプセルトイにハマり中!
(女性)「かわいいとほしくなっちゃう。箱に山盛りになっています」
(女性)「収集癖があるのかもしれない。集めたくなっちゃう。お目当ての物が出た時。一発だったり3回やっても5回やっても大変な時もある」
専門家は、「キダルト」が生まれた背景に「価値観の変化」が関係しているといいます。
(トイジャーナル 藤井大祐さん)「自分が好きなことに対して好きだと素直に言える世の中。大人も大手を振ってアニメを見て漫画を読みおもちゃで遊ぶ。社会の風潮もキダルト層を広げている」
大人になったからこそ分かる「絵本」の魅力も
札幌市内に住む成田さん一家です。
2歳の遥空くんは絵本が大好き。
(成田凪沙さん)「自分で選びに行きます。車の絵本を読んであげると車を好きになったり、言葉を覚えたり」
子どもたちの想像力や語彙力などを育む「絵本」。
いま、手に取る大人たちが増えているといいます。
(客)「これこれこれ!楽しい。子どもだけじゃない。ホッとさせてくれる感情を絵本から感じる」
(客)「絵柄を見ていたらかわいいので、絵を見ているだけでも癒される」
中にはこんな人もー
(客)「うっかり涙してしまうことはあります」
その絵本がこちら。
なんでも食べてしまう嫌われ者のワニの物語です。
唯一、自分に笑顔を向けたイルカに出会い、心が動かされていきます。
(客)「亡くなってしまうんですけど。子どものためにもらった絵本だが、読んでいたらうっかりぽろぽろ泣いてしまったことがあって。ワニの気持ちがわかるようになったんですかね、大人になって」
さまざまな経験をした大人だからこそ、感情を揺さぶられるのです。
9月に札幌市内で開催された「大人向け」の絵本の読み聞かせ会です。
日々の喧騒を忘れ、じっくり聞き入っていました。
(訪れた人)「すごいきれい」
(札幌エルプラザ 岩﨑加奈さん)「白と黄色だけが水彩で、ほかは色鉛筆。もともと(作者は)日本画を専攻していた」
ストーリーはもちろん、色使いや構図、美術的な感想も飛び交います。
(訪れた人)「ホッと一息もあるし、自分の中の世界を広げる感じ」
(訪れた人)「当時の思いとかも感じながらいま改めて感じる部分と、どんな風に変化したのか自分自身の心情の変化を楽しめたらいいな」
(札幌エルプラザ 岩﨑加奈さん)「想定以上にお申し込みいただいて、こんなに反応をいただけるとは思っていなくて本当に驚きました。いろんな視点を感じながら読んでいただきたい」
心躍るおもちゃや、いまだからこそ読みたい絵本。
「子ども向け」を大人も楽しむ時代なのかもしれません。
