判決を受け入れる心の準備は「内容によって変わる」殺意否認の内田梨瑚被告 旭川女子高校生殺人
旭川市で女子高校生を橋から転落させ殺害した罪などに問われている内田梨瑚被告(23)の裁判では、2026年6月22日に判決が言い渡されます。
6月4日の被告人質問で、内田被告は「人生を奪ってしまい申し訳ございません」と初めて遺族に謝罪しました。
内田被告が初めて謝罪(弁護側の被告人質問)
Q.遺族に謝罪できてないですよね。
A.はい
Q.何か伝えたいことありますか?
A.はい
Q.どんなこと?
A.…私の身勝手で非常識な言動によって、女子高校生を傷つけ、苦しませ、これからの人生を奪ってしまい、本当に申し訳ございません。これからも自分の罪と向き合って、まずは自分にできる償いを見つけて、受刑生活をまじめにつとめます。本当に申し訳ございません。
内田被告は起立し、30秒以上、涙ながらに遺族側に深く一礼しました。
内田被告の直筆謝罪文
弁護人は、内田被告が2026年1月5日に遺族に向けて書いた謝罪文を読み上げました。
私の身勝手な行動によりAさん(女子高校生)を亡くしてしまい申し訳ございません。Aさんを亡くしてしまった責任を重く受け止め深く反省しています。本当に申し訳ございません。
Aさんを監禁し暴行を加え執拗に脅し裸にさせた上、さらに追い詰め終始怖がらせ、痛く、辛く、苦しい思いをさせてしまいました。
Aさんには何度も謝ってもらいましたが、私はAさんに一度も謝ることができませんでした。
また、私が逮捕されるまでの期間で自首することもできませんでした。
Aさんの謝罪を素直に受け入れることができず無責任な行動をしてしまったことで、Aさんを亡くし、Aさんの家族の方々を悲しませてしまいました。
事件当時、すぐに警察や救急車を呼ぶことができていたら、Aさんが一カ月以上も川に流されることはなかったと思います。
Aさんが見つかるまでの間、家族の方々は不安な気持ちでいっぱいでしたと思います。
助けを呼ぶことも、自首することもできず、Aさんを傷つけ苦しめることしかできず、本当に申し訳ございません。
「旭川まで連れてきて終始怖い思いをさせてごめんなさい」、「暴力を振るって痛い思いをさせてごめんなさい」、「裸にさせて辛い思いをさせてごめんなさい」、「誰にも助けてもらえず、苦しい思いをさせてごめんなさい」「これからの人生を奪ってしまいごめんなさい」とAさんへの謝罪の日々を送っています。
Aさんはどんな気持ちで耐えていたのか、私がAさんの立場だったらどんな気持ちになるか、私の家族や友人を同じような事件で亡くしたらどんな気持ちになるかなどを考え、犯した罪と向き合い、反省する毎日です。
Aさんを亡くした責任は全て私にあります。決して許されることではありません。
今後、刑が確定すると受刑者になり教育を受けます。
私はこの教育を真剣に取り組み、Aさんを亡くしてしまった責任と向き合い続けます。
Aさんの人生を奪ってしまった私ができることは何か、どのように過ごしていけばよいかを考えながら拘置所での生活を送り、受刑生活が始まってからもAさんを思う気持ちを忘れずに犯した罪の重さと向き合い続けます。
Aさんを亡くしてしまい本当に申し訳ございません。
「黙秘するよう言った」(検察の被告人質問)
Q.なぜ泣いたんですか
A.…
Q.質問聞こえましたか
A.…
Q.なぜ泣いたんですか
A.…
Q.(車内で証拠隠滅作業を進めているのに)女子高校生のスマートフォンは証拠になりえるものだが、現場に置いてきたというのは矛盾しませんか
A.してないと思います(語気を強める)
Q.あなたの作り話では
A.違います
Q.顔の見えない写真で50万円は高くないですか
A.思いました
Q.女子高校生のPayPayで買い物をしましたね
A.10万円くらいです
Q.10万円でも十分すぎると思いませんか
A.ラーメンの写真1枚だったらそうですね
Q.女子高校生は道の駅に来ると思いましたか
A.来るかもしれないし来ないかもしれないと思っていました
Q.来なくてもよかった?
A.来なくてもよかったと私が言ったんですか?
Q.そんなことは聞いていません
A.わかりません
Q.なぜ証拠隠滅をしようと考えた?
A.優花さんが逮捕されることを恐れていて、黙秘するよう言いました
Q.当初の取り調べでは、なぜ女子高校生に「会ってない」と言ったのか
A.私が話さなければ逮捕されないと思ったからです
Q.なぜ話すようになったのか
A.見つかっていないと聞いたからです
Q.自分が被害者だという思いはありましたか
A.はい。写真を使われたからです
また、内田被告は謝罪文の「女子高校生を亡くした責任はすべて私にあります」という部分の意図を問われ、「直接的に橋から落下させてないですが、私たちの言動で女子高校生が追いつめられて亡くなったのは間違いありません」と述べました。
Q.自分のしたことが殺人の罪にあたるという思いはありますか?
A.殺人という罪にあたるかは、判決が出ないと私にはわかりません
Q.罪を受け止めて判決を受けたほうがいいのでは?
A.はい
Q.殺人の成立についてはわかりませんか?
A.はい
Q.意見を変えようとは思いませんか
A.はい
被害者家族の弁護人の被告人質問(被害者家族が聞きたいこと)
内田被告は被告人質問で、小西受刑者が「内田被告の話はうそばかりだ」と証言したことに対して、「小西さんは事件から2年が経って殺意の部分を争っているのが腹立たしい気持ちでいっぱいなのかなと思いました」と述べていました。
Q.小西さんは何を腹立たしく思っている?
A.小西さんの本心を聞いたわけではないので、わからない。いま思うことは、小西さんは女子高校生に殺意があった。私は殺意を持っていなかった。2人は同じ行動・同じ場面を見ていたのに、私と小西さんが違う考えを持っているはずがないと思っているのだと思う。
Q.女子高校生の遺体があがったことは警察から聞きましたね?
A.はい
Q.どんな気持ち?
A.当時、女子高校生が橋から落ちる場面を見ていないので、やっぱり離れたあと女子高校生が川に落ちて、落ちてからずっと流されてしまったんだと思って、欄干の外に立った状態でおいてきた責任を感じた。
Q.(謝罪文の)「責任すべて私にある」とはどのようなこと?
A.女子高校生に対する殺意はまったくありません。橋の上で落下させてはいません。女子高校生が亡くなってしまったその結果は、私が女子高校生と合流し苦しめた結果だと思っています。
Q.判決を受け入れる心の準備はできている?
A.判決の内容によって変わると思います
Q.遺族に言っておきたいことは?
A.女子高校生を17年間大切に(沈黙)育ててきた(沈黙)ご遺族の方が、女子高校生が亡くなってしまったことをいま毎日どのように感じながら過ごしているのかを私は想像することしかできませんが、毎日私なりに考えながら生活しています。今回、私と女子高校生の2人の問題なのに、私が3人を巻き込んでしまって、4対1で女子高校生を何度も何度も怖い思いをさせて不安にさせて、痛い思いをさせて苦しませてしまい、本当に申し訳ございません。
「殺意があったと断言したわけでない」(裁判官からの質問)
Q.「いまとなっては殺意があったと思う」という発言は、2年間の成長によるものか?
A.殺意があったという発言は、断言したわけではなく、自分を客観的に見て振り返ってみると殺意があったようにも確かに思うと話したつもりです。
内田被告は殺人と不同意わいせつ致死、監禁の3つの罪に問われていて、起訴状などによりますと2024年4月、旭川市の神居大橋で留萌市に住む女子高校生(17)を全裸にしたほか、橋の欄干に座らせ「落ちろ」「死ねや」と言うなどして川に落とし殺害したとされています。
内田被告は5月25日の初公判で、起訴内容について「私には殺意はありませんでしたし、橋から落下させていません」と述べ、殺人罪などについて否認しました。
裁判の争点は、殺人の実行行為や殺意があったのかどうか、共犯者との共謀の有無などです。
検察は6月8日の裁判で「被害者の人格、尊厳を踏みにじるもので身勝手極まりない犯行」と指摘し、「主犯であることは明らかで最も重い責任を負うべき」として懲役27年を求刑しました。
一方、弁護側は「偶発的に起きた計画性のない犯行」、「すべて内田被告の責任とは言えない」などと主張し、情状酌量を求めています。
裁判は6月8日に結審し、22日に判決が言い渡されます。
※STVでは今回の裁判の「特定少年」について、事件の重大さや社会的影響などを総合的に判断し、実名で報道しています。