メーカーは買い控えを懸念 政策金利引き上げの影響 夢のマイホーム「中古住宅も視野に」北海道
物価の上昇が続くなか、日本銀行は先週末、政策金利をこれまでの0.5%から0.75%まで引き上げることを決めました。
私たちの生活や住宅ローンなどにどのような影響が出てくるのでしょうか。
(土屋ホーム 荒木大輔さん)「こちらシアタールームとなっておりまして」
札幌市中央区の住宅展示場です。
この週末も夢の「マイホーム」を検討している家族連れが訪れていました。
(恵庭から来た人)「(金利が)上がるというのはもう確定したことなので、それで(家を建てるのを)やめるとかいうのは僕は考えていないです。やはり値上げというのは実感するところはあるので、そこはなんとかしてほしいなというのは率直な意見です」
(札幌から来た人)「(金利は)正直高いですよね。負担にはなるのでそこはなるべく抑えながらっていう感じではあるかなと思います。金利の面も含めてというか、将来の参考までに情報収集という感じで」
日銀は2025年1月、政策金利を0.25%から0.5%に引き上げ。
先週末、さらに0.75%に引き上げることを決めました。
(日本銀行 植田和男総裁)「経済・物価情勢を踏まえ、2%の物価安定目標の持続的安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切であると判断しました」
影響が大きいのが住宅ローンです。
大手の銀行を含め、ローンの金利の動向については明らかになっていませんが、建築資材の高騰などで住宅価格は右肩上がりで推移していて、メーカーは利上げによる買い控えを懸念しています。
(土屋ホーム 荒木大輔さん)「住宅ローンを組むのっていま35年に限らずに40年、50年と組まれるお客さまも多くいらっしゃいますので、現実的にはマイホームというのはちょっと難しいのかなとなってしまうのは正直、苦しいところかなと感じます」
一方、与党は住宅ローン減税として、年末時点のローン残高の0.7パーセント分を控除する制度を5年延長するほか、中古住宅を購入する際に控除の対象となる借入残高の上限を引き上げる支援策について方針を決めました。
専門家は今回の利上げの影響についてー
(ファイナンシャルプランナー 加藤桂子さん)「金融機関にお金を預けている人ですとか債券を持っていらっしゃるという方というのは、金利が上がることによってそれだけ利子が上がるということになりますのでプラスの影響があります。ただ、お金を借りている側、借入金額が大きいと総返済額も増えてしまうので、中古住宅を視野に入れて借入金額をそもそも抑える形で住宅ローンを組まれると今後はいいのかなと思います」
家計を苦しめている「物価高」は今後、どうなるのでしょうか。
(ファイナンシャルプランナー 加藤桂子さん)「物価が高くなるということは景気が過熱しているということなので、金利を上げることによって企業がお金を借りにくくなる、個人もお金が借りにくくなると。今回金利を上げたことによって、ちょっと物価の上昇を抑えられるかなということが予想されます」
日銀は今後、さらに利上げを続けていく姿勢で、専門家は家計の支出を定期的に見直していくことが大切だとしています。