相次ぐバスの減便・廃止 外国人運転手を採用する会社も「どの会社も採用は競争」地域の足守る対策急務
深刻な運転手不足をうけ、じょうてつバスと北海道中央バスは12月1日から一部の路線で廃止や減便を実施します。
利用客からは困惑の声が聞かれました。
北海道中央バスは、札幌市北区の地下鉄麻生駅と花畔を結ぶ路線など平日で228便、日曜・祝日は175便を1日から減便します。
(利用客)「何時までどこにというのがなければ対応できると思うので、残念ですけどしょうがないかなと」
また、じょうてつバスは啓明バスターミナルと地下鉄真駒内駅を結ぶ路線など、3路線を1日から廃止します。
先週、利用者からは廃止を前に困惑の声が聞かれました。
(利用客)「乗り継ぎしかなくなるので時間が怪しくなるので早め出ないと。もうちょっと寝たい」
2社は今回の路線廃止や減便について、「運転手不足」が理由だと説明しています。
札幌市によると、2024年までの5年間でおよそ2割のバス運転手が減少していて、2000便以上が減便しているということです。
影響はこれからもさらに拡大する見込みです。
札幌市白石区の川下町内会の会長・伊藤勝昌さんです。
(川下町内会 伊藤勝昌会長)「ここが始まり。8か所のバス停がなくなる」
この川下地区では2026年4月1日から、中央バスの地下鉄東西線白石駅と白石営業所を結ぶ路線の変更により8つの停留所がなくなります。
(川下町内会 伊藤勝昌会長)「川下地区は高齢者が多くて、大きな病院があるので通院している人や見舞いにくる人がたくさんいるので、そういう人への影響が一番大きい」
11月30日、市や中央バスが参加した町内会主催の住民説明会が行われました。
(中央バス白石営業所 原口嘉樹所長)「今回の廃止は決定事項であり、これ以上お伝えする情報はございません」
バス会社からは運転手不足の影響との説明でしたが、住民たちは納得できず反対の声が相次ぎました。
説明会はおよそ6時間にもおよびました。
(説明会の参加者)「資料を見る限り、どうにかしてここの区間をなくそうとしている風にとらえてしまう」
(説明会の参加者)「交通って一番弱っているところを助けなければいけないのではないですか。川下を助けてください」
バス運転手の確保に向け、網走市のバス会社では新たな取り組みが始まりました。
日本の交通ルールについて学んでいたのは、インドネシア国籍のウィルさんです。
先週、運転手として新たに採用されました。
年々競争が激化する運転手の確保。
こちらのバス会社では道外だけではなく、海外にも視野を広げて採用活動に踏み切りました。
(インドネシア国籍 ウィルさん)「日本は安全性のサービスの質が高い。その環境で自分も成長したいと思った」
(教習)「歩行者をしっかり確認して巻き込み事故のないように」
インドネシアで日本語を教えていたウィルさん。
言葉の壁はありませんが、バス会社は日本の交通ルールやマナーを正しく理解してもらうことが重要だと話します。
(網走バス 小澤友基隆社長)「業界全体がドライバー不足で、どの会社も採用は競争。お客様に安心安全を提供しないといけないので力を入れて育成したい」
深刻化する運転手不足。
どのように地域の足を守るのか、早急な対策が求められています。