17時間要した消火活動「建物間隔あいていない」放水の難しさ指摘 函館・不動産会社で火事…影響続く
一夜明け、12月3日に撮影された火事の現場です。
建物はすっかり焼け落ち、黒く焦げた残骸が被害の大きさを物語っています。
(東海林記者)「午前9時半です。警察による実況見分が始まります」
2日、北海道函館市本町の不動産会社であった火事。
午前9時半ごろから実況見分が始まりました。
激しく噴きあがる炎、建物も崩れ落ちています。
2日午後3時前、「事務所から出火した」と消防に通報がありました。
警察によりますと、2階建ての不動産事務所の1階裏口付近から火は燃え広がり、隣接するビルに延焼したといいます。
火事発生のおよそ30分前に付近を通りかかった人によると、不動産事務所の裏の駐車場で舗装工事をしていたのを目撃したということです。
火が消し止められたのは午前8時すぎ。
発生からおよそ17時間後でした。
(付近の飲食店店員)「火は見えていないけど煙がすごかった。この辺歩けないくらい煙がすごかった」
現場は函館市の中心部で、付近にはデパートや商業施設があります。
さらに近くには函館市電が通っていて、観光地・五稜郭からはおよそ800メートルの距離です。
函館の繁華街の一角に建っていたビル。
いまではその姿は跡形もなくなりました。
2日、付近の商業施設では館内に煙が入った影響で午後4時半ごろに臨時で閉店しました。
そして、この商業施設では3日も火事の影響は続き、一部の店舗が休業しています。
(商業施設の運営会社)「煙の影響で一部商品がにおったりがあるので一旦休業という措置をとって。できるだけ一日も早く地域の日常が戻ればいいなと思っています」
火を消し止めるのに17時間もかかった理由について専門家はー
(元東京消防庁麻布消防署長 坂口隆夫さん)「建物が密集している地域だった。建物と建物の間隔があいていない。消防隊が活動するのは前面の道路と裏側からしか活動できない。建物と建物の間から放水することが難しかったのではないか」
警察と消防で火が出た原因を調べています。