どうして止められなかったか「生涯をかけて問い続けてほしい」江別・集団暴行死で判決 札幌地裁
(山本記者)「社会に出られる確率はほぼないと思っていると話していた川村被告。言い渡されたのは懲役30年の判決でした」
若者が集団で暴行を加えた事件で、注目の判決が言い渡されました。
(裁判長)「川村被告を懲役30年、滝沢被告を懲役20年、少年を懲役9年以上13年以下に処する」
判決によりますと、強盗致死などの罪に問われている、川村葉音被告と滝沢海裕被告、少年の3人は、2024年10月、江別市の公園で長谷知哉さんと交際していた八木原亜麻被告らと共謀し、長谷さんに暴行を加えて死亡させたうえ、現金やカードを奪うなどしました。
(長谷さん)「1年後に別れるつもりだ」
事件のきっかけは、長谷さんが八木原被告に切り出した別れ話でした。
これを聞いた川村被告が、主犯格とされる川口侑斗被告に伝えたことで事件に発展。
一緒にいた滝沢被告らと共に暴行を加えました。
(川村被告)「ふざけんな、調子のんなよ」
(長谷さん)「ごめんなさい、ごめんなさい」
裁判では長谷さんが録音していた音声が証拠として流され、2時間にも及ぶ暴行の悲惨さが浮き彫りとなりました。
量刑が最大の争点となっていた今回の裁判。
3人は起訴内容を認めていましたが、あくまで主犯格とされる当時18歳の特定少年・川口被告に同調していただけだと主張。
その一方で、録音されていた音声にはー
(川村被告)「血が付いたかもしれない。金払え」
真っ先に金品を要求するような川村被告の発言が録音されていました。
一方、滝沢被告は「ライダーキック」と称して複数回、飛び蹴りするなどの暴行を加えています。
検察は、川村被告に無期懲役、滝沢被告に懲役20年、少年に懲役10年以上、15年以下の不定期刑をそれぞれ求刑していました。
傍聴券を求めて裁判所前に多くの人が並び、関心の高さが伺えた6月25日の裁判。
判決で、裁判長はー
(裁判長)「(川村被告について)主導したとは言えないが犯行をけん引していた」
川村被告に対し、犯行の端緒と金品を奪う流れを作ったと指摘。
一方で、被害者死亡への直接的な関与は限定的として、無期懲役の求刑に対し、懲役30年を言い渡しました。
滝沢被告に対しては、強盗行為に一定の役割を果たしたと指摘し、求刑通り懲役20年の判決を下しました。
また、懲役9年~13年の不定期刑を言い渡した少年については、自らの意思で犯行に加担したと認めながらも、若い年齢であることなどを理由に述べました。
実際に判決を聞いた人はー
(傍聴人)「正直軽いかなというのが率直な感想。酌量の余地があったのかは考えさせられる」
「若者の集団心理」から発展したとされる凄惨な事件。
裁判長は判決の後、被告らに対し「どうして途中で止められなかったのか。生涯をかけて問い続けてほしい」と語りかけました。
※STVでは今回の裁判の「特定少年」について、事件の重大さや社会的影響などを総合的に判断し、実名で報道しています。