1日の乗客数…過去最多の約26万人!札幌市民の足「東西線」には秘密のトンネル!?【ナゾトキ】
1976年6月10日、札幌市営地下鉄・南北線に次いで琴似と白石を結ぶ東西線が開業しました。
1982年には白石から新さっぽろまで、さらに1999年には琴似から宮の沢まで延伸。
2025年度の1日の乗客数はおよそ26万人と、過去最多を記録しました。
(宮永キャスター)「みなさんよくご存知の地下鉄ですが、実は様々なナゾがあるそうなんです。探しに行ってみましょう」
様々なナゾを解き明かす「ナゾトキ」です。
きょうのテーマはこちら!「東西線開業50年」です。
6月10日に開業からちょうど50年を迎えた「地下鉄・東西線」です。
札幌市民の足として欠かせない東西線ですが、実は秘密のトンネルがあるということなんですね。
まずはそのナゾを紐解きます。
東西線を東豊線の車両が走る…!そのワケは“秘密のトンネル”にあり
こちらは東西線の西11丁目駅です。
(宮永キャスター)「間もなく大通方面から車両がやってくるんですけど、東西線といえばこのオレンジがイメージカラーですよね。入ってきた車両ですけど、ドアの色が青じゃないですか、これはひょっとして東豊線の車両じゃないですかね」
やってきたのはなんと、東豊線の回送列車。
本来ならオレンジ色の車両が走るはずですが、なぜ東豊線の青い車両が入ってきたのでしょうか?
そのナゾを解き明かすためにやってきたのは、札幌市交通局です。
(宮永キャスター)「東西線を東豊線の車両が走っていたのですが、これはどういうことですか?」
(札幌市交通局 高橋英広教習担当係長)「東豊線には沿線に車両基地がありませんので、東西線の西車両基地、二十四軒駅に接続していますが、そこまで東豊線の車両を回送で運転しています」
1988年に開業した東豊線。
実は当時、土地を確保できず、沿線に車両基地を作ることができなかったんですね。
秘密のトンネルに潜入!
東豊線から東西線に向かうには、なんと秘密のトンネルがあるというんです。
特別にさっぽろ駅から東豊線の回送列車に乗せてもらいました。
(宮永キャスター)「福住方面へと列車は出発しました。運転席から見るとこんな光景が広がっているんですね」
出発しておよそ40秒後、東豊線・大通駅のホームが見えてきたと思ったらー
(宮永キャスター)「分岐点が見えてきた。そして大通駅ではなく…これだ!これが秘密のトンネル、秘密の線路」
さっぽろ駅と大通駅の間に隠されたトンネルがありました。
そして、しばらく進むと…
東西線の西11丁目駅に到着しました。
さらに進んでいくとー
(宮永キャスター)「いまこの東豊線の車両ですが、ゆっくりと車両基地へ入っていきます」
二十四軒駅に隣接する西車両基地に到着しました。
止まっていたのはすべて東豊線の青い車両です。
市は東西線の車両基地だった西車両基地を東豊線の車両基地にし、新しくひばりが丘駅近くに東西線の東車両基地を作ったのです。
(札幌市交通局 高橋英広教習担当係長)「出庫と入庫それぞれ6本ずつ電車が毎日このトンネルを走っています。お客様をお乗せすることはできないので、まさに秘密のトンネルと言えます」
東西線には“秘密の扉”も!?
東西線のナゾはまだあります。
やってきたのはひばりが丘駅。
構内のどこかに「秘密の扉」があるというんですね。
いったいどこにつながっているのでしょうか?
保安上の理由から扉の場所を伝えることはできませんが、特別に中へ入らせてもらいました。
扉の先にあったのは地下へと繋がる階段です。
降りてみるとー
(札幌市交通局 青木美憲東西線乗務係長)「こちらが乗務員専用のホームになっています。ひばりが丘駅のホームの裏側にある専用線になっていまして。無人で来た電車に乗り換える場所になっています」
東西線の車両基地と繋がっているひばりが丘駅には、運転手が乗るための専用のホームがありました。
車両基地からは自動運転で列車がやってきます。
では、すべての列車を自動運転で運行できないのでしょうか?
(札幌市交通局 高橋英広教習担当係長)「営業運転をするときは運転手が乗っていないとお客さまの安全を確実に確保できませんので、お客さまを乗せるときは運転手は必要」
東西線にはほかにもナゾがあります。
新さっぽろ駅とさっぽろ駅はひらがなで表記されていますが、なぜなのでしょうか?
札幌市交通局によりますと、JRにも同じ駅名があり、区別するためにひらがなにしたそうです。
ただ、琴似駅と白石駅はJRの駅とは離れているため、同じ漢字で表記しています。
さて、東西線は50年の歴史の中で2度の延伸がありましたが、長年要望されている手稲区への延伸は未だ実現されていません。
延伸の可能性はあるのでしょうか?
手稲区への“延伸”の可能性は?
これは手稲区延伸のイメージ図です。
地上を走る高架方式で、線路や駅をシェルターで覆う新たな構想です。
5月31日に開かれた「手稲区延伸を望む会」。
シェルター型の延伸案が示されました。
(北海道科学大学 苫米地司理事長)「シェルター型の高架方式での延伸があると思います。東京ドームの屋根に使っている材料で、日本国内で何十年も使用実績があります」
地上を走るシェルター型の高架方式は、これまで課題となっていた2400億円ほどの建設費を2割から3割、削減できるということです。
提案の背景にあるのが、近年のバスの減便や雪による交通障害です。
市民の足を確保するために早期の地下鉄延伸が求められています。
さらにー
札幌市との「約束」60年たっても実現せず
手稲区延伸期成会の平佐さんです。
延伸をめぐって、札幌市との約束があるといいます。
(地下鉄東西線手稲区延伸期成会連合会 平佐正義さん)「(札幌市と)合併する条件として基本構想を出した。道路を作るとか工業団地を手稲にもってくるとかいろんな項目があった。高速軌道(地下鉄)を乗り入れする、これ以外は全部クリアされている」
1967年、当時の手稲町は札幌市との合併に合意し、町内の道路整備や地下鉄の乗り入れを交換条件としました。
手稲町の開発基本構想にも「将来は全市的な計画に基づいて高速軌道、つまり地下鉄の乗り入れを検討する」と記載されています。
それから60年近く経ちましたが、延伸は実現されていません。
期成会では現在、北海道科学大学など2か所の新駅を提案。
延伸によるマチの活性化で採算がとれるとしています。
(地下鉄東西線手稲区延伸期成会連合会 平佐正義さん)「市内どこでも行けるようなネットワークは地下鉄延伸が必要不可欠」
これに対し、札幌市の秋元市長はー
(秋元市長)「手稲区の合併時というのは昭和40年代の話です。その後、人口の増加が鈍くなり、事業採算性などが取れないということで、具体的な計画作りにまで至っていなかった状況です」
専門家は、将来的なマチづくりのあり方を議論すべきと指摘します。
(呉工業高等専門学校 神田佑亮教授)「地下鉄を作りたいだけですとお客さんの数や採算性の話になってしまいがち。どういうマチづくりを将来に向けてやっていくかが大切になっていく。(延伸は)0ではなく少しでも可能性はあると思う」
現在、東西線の手稲区方面におよそ6キロ、東豊線の清田区方面にもおよそ4.2キロの延伸が地元から要望されています
札幌市の秋元市長は地下鉄の延伸について、「地上走行は建設費削減に一定の効果はある」「人口の伸びが鈍化」「バス減便をカバーできるかなど検討」などとコメントしています。
地下鉄の延伸は「今後どんなマチづくりをするか」より具体的な議論が必要になってくるのではないでしょうか。