全焼した店舗を解体 復興目指す「大麻銀座商店街」火災で9軒全焼 再開に向け課題に直面…江別市
2026年1月に起きた火災で店舗など9軒が全焼した、北海道江別市の大麻銀座商店街。
店舗の解体工事が始まりましたが、跡地をどうするかはまだ決まっていません。
復興への課題に直面する商店街を取材しました。
真冬の悲劇…商店街に集う人々の思い
江別市の「大麻銀座商店街」です。
全焼した店舗に飾られた思い出の品や写真。
解体工事を直前に控えた2月、店舗に別れを告げるイベントが開かれました。
(地元住民)「いろんなことをやっていたからいいなと思っていたのに、こうなってしまって残念」
火事で全焼した焼き肉店の店主・石元雅人さん。子どものころから家族で通っていた常連客が訪れ、別れを惜しんでいました。
(後楽園の常連客)「6歳くらいまでの思い出がずっとここにあったので言葉が出ない。(復興に向けて)やれることがあったらなんでもやる」
(焼肉・後楽園 石元雅人さん)「何かあったら手伝ってね」
(後楽園の常連客)「すぐ駆けつけるよ」
(焼肉・後楽園 石元雅人さん)「頑張れ、待ってると言ってくれているので、頑張らねばと思っています」
2026年1月、商店街にある店舗から火災が発生。
火は瞬く間に燃え広がり、長屋に入っていた店舗など9軒が焼け落ちました。
(焼肉・後楽園 石元雅人さん)「がっくりきました。もう何もできないかもしれない。タレも見たけど真っ黒焦げで使えないし、何もなくなってしまった」
親の代から47年間営業を続けていた「焼肉 後楽園」。
自慢の「タレ」もつぎ足しながら親の味を守ってきました。
火災で何もかも失ってしまった石元さん。その中で奇跡的に無事だったのが、看板です。
(焼肉・後楽園 石元雅人さん)「これを見たときは絶対にやらなければと思った」
解体を前にした別れのイベント。焼け残った看板が2か月ぶりに店の前に飾られました。
(焼肉・後楽園 石元雅人さん)「こんな感じになっちゃったけど、また頑張ってみる」
イベントの運営に関わった岸本哲典さんです。
親が営むふとん店は火の手を免れましたが、商店街で生まれ育った哲典さんは、火事に心を痛めています。
(岸本ふとん店 岸本哲典さん)「自分が子どもの頃の商店の人たちの顔とかがすごくよみがえってくる。思い出が消えるわけじゃないんだけど、すごい寂しいですよね」
半世紀以上にわたる歴史 再起の道はどうなるのか
1964年ごろ、大麻団地の造成とともにできた大麻銀座商店街。
一時客足が遠のく時期もありましたが、商店街が一丸となってイベントや店の誘致活動を続け、火災前には29店舗が軒を連ねていました。
にぎわいを取り戻し、地域に根差してきた商店街。多くの人が訪れ、感謝と別れを告げていました。
(岸本ふとん店 岸本哲典さん)「最後に見られて良かったと店に来て言ってくれる人もいたので、よかったなと」
3月から本格的な解体工事が始まりました。しかし、この場所が今後どうなるのかまだ決まっていません。
商店街で再開を目指す焼き肉店の石元さん。一刻も早い出店を望んでいます。
(焼肉・後楽園 石元雅人さん)「ユニットハウスって言うんですけど、中を造作するようなもの。(費用が)考えていたよりも1.5倍ぐらいになっている感じ。1000万ぐらい予想より多くかかるかなっていう、金額的に言ったらね。どうしよう」
自分の店がどうなるのか見通しが立たず、不安が募る毎日です。
復興への取り組みを中心となって進めているのは、商店街の理事会です。
(大麻銀座商店街 理事長 岸本佳廣さん)「地権者がこういう考えでいるから協同組合もそれに沿った形で動いてとか」
(理事会の人)「やれることからやっていくしかない」
意見がまとまらず様々な課題が浮上…危機感募らせる理事会
理事会では寄付金などを使って被災した店舗が入る建物を建設する計画ですが、複数の地権者との交渉が難航。
商店街としての意見も一つにまとまっていません。
(記者)「思うところがある店舗もいる?」
(焼肉・後楽園 石元雅人さん)「でしょうね。焼けたところだけが商店街じゃないよね。今ファンドで募ってやっているけれども、ここだけ(被災した店舗だけ)で使うのかという話も聞きました」
(商店街の店舗の人)「いまだに義援金が何に使われるということがまず一切見えてこない。ある程度決まっていることとかはやっぱり情報として欲しいじゃないですか。そういうのが全くないので」
情報共有の難しさも浮き彫りとなり、理事会では大きな危機感を抱いています。
(大麻銀座商店街 理事長 岸本佳廣さん)「こっちのやっていることを分かってもらう努力をし続けなきゃいけないのかな。そうじゃないと段々まとまらなくなっちゃう」
理事長の息子でもある哲典さんは、さっそく動き始めます。
向かったのは、アウトドアグッズを販売している岡崎さんの店です。
6月に予定しているイベントを、商店街が変わるきっかけにしたいと考えています。
(フロムノースショア 岡崎貴憲さん)「一丸となって商店街を作り上げていく一環っていう風に、商店街全体がまとまればいいのかなっていうことだよね」
実は2人は中学校の同級生。生徒会長だった哲典さんと、学年一やんちゃだった岡崎さんが、火事をきっかけにタッグを組みました。
(フロムノースショア 岡崎貴憲さん)「この商店街はポテンシャルだいぶ高いよねというのが僕のイメージなんですよ。なので必ず何かになっていくかなという風には思います」
2人は商店街にある店をまわり、協力を呼びかけます。
(岸本ふとん店 岸本哲典さん)「商店街のお店がみんなで頑張ろうという趣旨でやろうとしていて」
(フロムノースショア 岡崎貴憲さん)「復興へ向けての道筋をしっかりつけていこうって、その熱意でやっている部分がすごく大きいので。互いの店舗が互いの店舗同士をおもんばかった結果、1個の形になるのが商店街という風に思っています」
この先も商店街が活気ある場所であるためにー
哲典さんたちは直接思いを伝えました。
(岸本ふとん店 岸本哲典さん)「みんなで作りたいっていうんですかね、チームになりたい。きっと今までもそうだったから残っている商店街だし、頑張れている商店街だと思うので、火災が一つのきっかけになったのは確かにそうなんですけど、今だからみんなでやるというのが大事かなって」
火災から再起を図る商店街。未来を担う世代が真の復興をめざして走り始めています。