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【日本海溝・千島海溝地震】最悪14万9000人犠牲 避難場所確保が急務

シリーズ「命を守る」です。

甚大な被害が想定される、日本海溝と千島海溝沿いの巨大地震。

命を守るために必要なのが、災害の情報に敏感なアンテナと一刻も早い避難行動です。

自治体も避難場所の確保を急いでいます。

(アナウンス)「強い揺れに警戒してください」

今月1日、防災の日に合わせ北海道・釧路市内の幼稚園で行われた地震訓練。

園児が机の下に入り自らの身を守ります。

(園児)「緊張した」

(園児)「こわかった。うまくできなかったかな」

この幼稚園では月に1度、地震の学習や訓練を実施し、避難行動を体で覚えさせています。

(幼稚園の先生)「いままでで一番スピーディーに静かにお話を聞けてできた。続けていくのはとても大事だと思いました」

道は7月、日本海溝や千島海溝で巨大地震が起きた場合の被害想定を公表。

犠牲者は最悪のケースで14万9000人にのぼると試算されました。

(別海町 防災・交通担当 押木航さん)「あれが野付半島避難施設になります」

2016年、別海町の野付半島に完成した道東で唯一の津波避難施設です。

(別海町 防災・交通担当 押木航さん)「北海道の浸水想定では津波の高さは3.3メートル。ここの高さは6.6メートル」

漁業者や観光客など164人が避難可能。

1日分の食料のほか、ストーブや毛布なども備えています。

建設費用は1億4000万円。

いち自治体には大きな負担だったといいます。

(別海町 防災・交通担当 押木航さん)「必要だと当時から考えて建築したという形。自治体として財政面として厳しい」

国は6月、施設整備にかかる補助率を2分の1から3分の2に引き上げる改正特措法を施行。

対策を加速する狙いがあります。

最大20.3メートルの津波が想定される釧路市。

市が公表している浸水想定では、高層ビルやホテルを除き2階建て以下の住宅などは水没。

人口の7割にあたる11万2000人が避難対象になります。

市は既存の建物を活用する避難計画を策定。

民間と連携し113か所の避難場所を確保していて、今後さらに増やす方針です。

(釧路市 災害危機管理課 佐々木和史 管理監)「早期の避難率を高めることと、

一時避難所を確保することによって、被害想定を大きく減らすことができる」       

専門家は避難施設の整備は進んでいると評価する一方、まだ不足していると指摘します。

(北海道大学大学院 高橋浩晃教授)「周辺に逃げられるような高台や津波避難ビルがない地域は非常に心配。

津波避難施設はたくさん作れるものではない。できるだけ効果が高く本当に必要な場所を見極めることが重要」

いつ起こるかわからない巨大地震。

早めの避難行動の実現と避難場所の確保が急務となっています。

(2022年9月8日放送)
「どさんこワイド179」  9/8(金)9:56更新

北海道