Dr.トーコのラジオ診療室

番組紹介

 医療法人社団H・N・メディックの院長、遠藤陶子先生に、健康にまつわる話、
特にご専門の腎臓の病気や透析療法について分かりやすくお話いただく番組です。

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プロフィール

  • 遠藤陶子先生
遠藤陶子先生
医療法人社団H・N・メディック 理事長・院長
医学博士

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10月25日「病気の原因って何だろう」

2020年10月25日(日)

10月25日「病気の原因って何だろう」

  • 陶子先生、山本さん
陶:「病気の原因って何ですか?」って聞かれることがあるんですよ。「何か原因があるから結果として病気になるんですよね、その原因って何?」と言われることがあるんですけど、この質問はとっても難しい。・・・なぜでしょう?
山:この質問が難しい、ってどうしてかな・・・って思うんですよね。病気があって、その原因のことを「病因」とか「病原体」とか言うんじゃないですか?
陶:その解釈は正しいんですけれど、まず最初に結論を言ってしまうと、病気の原因がわかっているもののほうが少ないです。
山:あー、よく「原因不明の難病」、とか言いますけれども・・・
陶:そう、言いますよね。難病の原因がわかりにくい、っていう構図はなんとなく受け容れやすいですが、難病でなくとも因果関係を明らかにするというのはそれ自体難しいことです。たとえば「ストレスで胃に穴があく」という日常会話。
山:ストレスが原因で、胃に穴が空く、だからストレスが病因、となりますよね?
陶:んー、じゃあなんでストレスが原因で胃に穴があくんでしょう?
山:あら?それはそうですよね・・そこは考えたことなかったです!
陶:ストレスをうけて胃に穴があく、ストレスを受けた人が全員胃潰瘍になるわけではなく、なる人とならない人がいますよね。そしてすべての胃潰瘍がストレスが原因というわけじゃないです。
山:たしかに!薬の副作用で胃が痛くなる、とか、胃潰瘍になるという話も聞きます!
陶:それもひとつの理論の道筋ですね。ある種の痛み止めの類の薬は胃潰瘍を起こすので、今では胃を守るお薬を一緒に処方するのがふつうです。
山:そうですね!セットでいただくことが多いですね!・・ところで、ピロリ菌が胃潰瘍や胃がんの原因だというのも聞いたことがあります。
陶:と、いうように胃潰瘍に至る道はたくさんあるんです。ここまでのことを踏まえて、じゃあ山本さん、「胃潰瘍の病因ってなんですか?」って聞かれたら、答え、難しくないですか?
山:難しいです!いろいろありすぎます。
陶:胃潰瘍はそれでもまだわかりやすいほうなんです。病気にもいろいろあるけれど、答えることはできます。「病原体としてはピロリ菌があって、病因としては薬の副作用やはたまた悪性腫瘍、ストレスなんかもあげられます」というように言おうと思えばいける。
山:先生、いま病原体と病因を区別なさいましたけれど、その違いってなんでしょう?違うもの、なんですよね?区別するということは。
陶:そう、病気にはすべからく病原体がかかわっているのではないかしら、とか、なにか悪いものが体に入るから病気になるんですか?という質問を受けることは番組にも頂いたり、家族からも聞かれたりということもあるので、かなり身近な疑問なのかな、って思うのですが、実はすべての病気に「病原体」がみつかるわけではないんですよ。
山:というと、どういうことなんですか?
陶:一般に病原体、と言う言葉は「感染症」に対してつかうことばです
山:感染症、今世界を揺るがす新型コロナウイルスがまず頭に浮かびます
陶:そうですね、新型コロナウイルスは病原体の一つですね。ウイルスや細菌、一部のカビや寄生虫、一部の特殊なタンパク質なんかもいわゆる病原体です。
山:なるほど、まさしく病原体が体に入るから感染する、といった構図ですね。だから、感染症以外の病気については、こう外から入ってくるとか誰かからうつるとかいう理屈ではないから、病原体という言葉は使わないんですね。
陶:何か原因とおもわれるものがあって、それが病気の原因になっていればそれは病因ですね。たとえば、ある種の栄養素が不足して何かの病気になってしまう、という場合。これは「○○という栄養素の不足」が病因ということになりますね。そこに因果関係というのが成立している場合、原因を病因といい、結果を病気という、といった寸法です。ただ、因果関係という意味で言えば、例えば「転んで骨を折った」という怪我の場合。
山:これは「転んだこと」が原因で骨を折ったのだから、「転んだこと」が病因になるってことですか?
陶:単純に転んで骨を折ったということだけをみるとそうなりそうですが、たとえば骨が屈強な人が階段から転んで落ちて骨を折った。この場合は階段で転ぶということをさして、受傷機転といいます。どうやってけがをしたかという状況をつまびらかにすることで原因を検討することは日常診療でもおこないます。ただ、もしも転んだ患者さんが骨粗しょう症で骨がボロボロで、ちょっとした段差で骨折していたら?
山:その場合は、骨粗しょう症が、骨折の原因と言って良いってことですよね?
陶:ということもあるとおもうんです。日常生活上で骨が正常であれば折れないところが骨粗しょう症であるがゆえに折れちゃうんですから、これは骨粗しょう症が骨折の原因(の一端)ということになります。
山:病気の原因、病因という言葉はいつも原因と結果の因果関係のうえに成り立っている言葉なんですね。
陶:その通りです。そしてその「原因と結果の因果関係」っていう言葉自体は簡単ですが、骨粗しょう症のたとえでもわかるように、人によって、もしくは場合によって因果は違うんですよね。
山:「病因を取り除けば病気がなおる」という単純なことではないんですね。
陶:そうですね、病原体や病因がわからない、もしくはわかっていても取り除くということは不可能だという病気もたくさんあります。むしろ、そっちのほうが多いかもしれないですね。そして年を取ることによって、否応なく体は衰えていきますから、不具合も出てきます。更にはすべての体の不調に対して対策があるわけでも、結果が出るわけでもないので、医学が介入できることなんてほんとわずかなんですね。治療が出来る病気ばかりではないのも事実です。
山:そんなー!なんだか不安になってしまうんですが、患者の立場から何かせめて出来ることはありますか?
陶:私も医師になる前には漫画なんかで「病気を治すのはあなたの体であって、私達は手助けをするだけですよ」というセリフを見た時には「何よかっこつけて」などと思っていたんですが、今では「その台詞、まさしくそのとおり!」って思っています。特に我々内科医にできることは、病気の原因が何かを考えることで、これは医療者に任せてもらって構わないと思うんです。一方で患者さんはですね、説明をしっかり聞くこと、これを心がけてほしい。なぜなら患者さんが病気の当事者だからです。なんでこうなった!ということを悔いるのではなく、ここからどうしていくか、これを先生と相談するのが良いと思います。
山:やっぱり相談って大事なんですね・・・わかりました。ところで先生、先ほどの骨粗しょう症の話、ありましたが、ただ不注意で折った、と思っていることの影に実は!重大な原因があるのかも、だなんて怖いなって思いました。もう少し詳しくお話ししていただけますか?
陶:わかりました。では来週は「骨をだいじに」というお話をしましょう

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