Dr.トーコのラジオ診療室

番組紹介

 医療法人社団H・N・メディックの院長、遠藤陶子先生に、健康にまつわる話、
特にご専門の腎臓の病気や透析療法について分かりやすくお話いただく番組です。

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<H・N・メディックURL>
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プロフィール

  • 遠藤陶子先生
遠藤陶子先生
医療法人社団H・N・メディック 理事長・院長
医学博士

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8月9日「体にいいとはどういうことか」

2020年8月9日(日)

8月9日「体にいいとはどういうことか」

  • 陶子先生、山本さん
陶:野菜は体にいい、とか「体にいい」というフレーズは日常会話でよく耳にします。これは万人にあてはまることなのでしょうか?たとえば実際に透析患者さんにとって野菜は必ずしも「体にいい」とは言えません。そもそも「体にいい」ってどういうことでしょう?ということで突然言い切りますけど、世の中の情報で「確かなもの」なんて少ないんですよ、山本さん!
山:どうしたんですか、突然!先生…何かあったんですか?
陶:(笑)暑くなってきたことですし、汗とデトックスの話でもしましょうか。
山:先生、私、このラジオでこれまで信じてきた色々な認識が覆されることを何度も経験しているんですが…まさか「デトックス」も?
陶:ありません。というか、「デトックス」、detoxification、つまり解毒、ということですけど、解毒といえば肝臓と腎臓の働きそのものなんです。何かを飲んだり塗ったりすることでデトックスされちゃったら、透析なんていらないんですよ、そもそも。
山:汗をかいたりするのがいいって聞いたことがあります。
陶:汗をかくことでは何一つ解毒されません。
山:汗に老廃物が…
陶:汗のおもな働きは、体温調節です。
山:えー?!
陶:気化熱って聞いたことないですか?液体が蒸発する時にはその液体が付着している表面の温度を奪うんですね。
山:打ち水みたいな?
陶:そうです。汗の成分の話をしますと、99%は水、残りの1%は塩。その他のミネラルや水に溶けるいわゆる老廃物は誤差範囲のごくごくわずかですね。
山:サウナで汗をかいて毒素をいっぱい体の外に出してすっきり…
陶:そんなのは気のせいですね。まあ、気のせいで充分っていう気分のリフレッシュ的要素はさておいてですけれど。それはそれで大事なのでね。ただ汗の中に毒はそんなに溶け込んでないです。
山:かなり衝撃の幕開けとなりましたが、世の中の情報で確かなものなんて少ない、本当にその通りなんですね。
陶:なんかカタカナで表記されていると信じちゃうみたいなことありません?
山:うっ、耳が痛いです…
陶:例えばね、「白い果物に含まれるトコエンドの働きで、お肌に透明感が」とかテレビでやっていたら、もしくは化粧品にそう書いてあったら。
山:えーそうなんだ!って思います。
陶:そこでね、「なぜ、どうして良いんだろう?」って思って欲しいんです。もしくは、たとえばさっきの例でいえば、「トコエンドってなんだろう?」って思って欲しいんです。
山:そうですよね。トコエンドって初めて聞きましたけど、これどんな成分のものなんですか?
陶:そんなものはありません。
山:えっ?
陶:私が適当に言いました。TOKO ENDOでトコエンドです。
山:TOKO ENDOでトコエンド?医者である先生がそう言うからてっきり、そういうのがあるんだと思いました。
陶:そこが落とし穴なんですよね。誰が言うか、というのは情報の質そのものには関係がないことなんです。どの程度「確からしいか」、これを見抜ける目を持って欲しいんです。
山:健康食品や医薬品の説明の回でも、先生いつも仰ってましたよね。情報の受け取り方に注意が必要だと。
陶:そうなんです。最近耳にして、こりゃあ聞き流せないぞと思った情報に「小豆汁でむくみがとれておしっこがじゃんじゃん出る」というのがあったんですよ。
山:でも私だったら早速やってみよう!って思います。小豆は身近ですぐ手に入りますし。
陶:私はこれを聞いた時に、透析患者さんがこれをやってみようと思ったらどうしようーーーー!!!って気が気じゃなかったんです。なぜ小豆汁でおしっこが出るんだ、って皆に思って欲しいんですよ。
山:どうして透析患者さんが小豆汁を飲もうとすると陶子先生は慌てるんですか?
陶:小豆汁はカリウム汁だからなんです。
山:カリウム!透析患者さんはたくさんとってしまうと心臓がとまる危険性があるというあのカリウム?
陶:あのカリウムです。カリウムはそもそもの作用として、腎臓でナトリウムが尿の中に排泄されるように作用する、細かく言うと再吸収を抑えるということですが、これって腎臓が正常に働いている前提なんですよ。腎臓が正常に働かなければカリウムは排泄されません。カリウムがたまった後、どうなるか知ってます?
山:知らないです。
陶:突然死ですよ。
山:その心臓が止まるっていう。
陶:そう。本当に毒。だから聞いている方は、透析患者さんのみならず腎臓がある程度悪い方、小豆汁はどんなにいいと聞いてもやめて欲しいです。
山:健康体の方とは全く認識を別にした方がいい、ということですね。
陶:大事なのは、「体にいい」といわれることが、果たして自分にもあてはまるのかと一旦立ち止まることだと思うんです。手放しに、万人に良いことなんてそうそうないんです。
山:私もそうですけど、人って「手っ取り早く良いこと」に弱いですからね。
陶:情報との向き合い方や調べ方をいつも伝えたいなぁって思ってるんですけど、先日良いサイトを発見したんです。「イージム」っていうんですけど。
山:「イージム」ですか?
陶:厚生労働省の、統合医療にかかる情報発信等推進事業、evidence-based Japanese Integrative Medicineの頭文字をとってeJIMというみたいです。
山:もうすでによく分かりません
陶:サイトから持ってきた一文を紹介しましょう。「『統合医療』は、近代西洋医学と相補(補完)・代替療法や伝統医学等とを組み合わせて行う療法であり、多種多様なものが存在します。このサイトでは、各種相補(補完)・代替療法や伝統医学に関して、現時点で分かっている科学的な情報を分かりやすく紹介しています。」とあります。
山:難しい言葉は聞き取れませんでしたけど、色々な話があるけど、今分かっている根拠ある情報を紹介してくれる、ってことですか?
陶:そうです。代替療法、相補(補完)、伝統医学、これはいわゆる民間療法というものを難しく言っただけだと思うんですよね。後は巷でいいと言われているフンワリしたものね。私がミソのある言葉だと思っているのは、「現時点でわかっている科学的な情報をわかりやすく紹介」、ということなんですよ。視点が完全に客観的なんですよね。
山:完全に客観、ということはそんなに大事なことですか?
陶:大事ですね。このサイトを見つけたきっかけは…、「オメガ3」って聞いたことありますか?
山:よく耳にします。
陶:そのオメガ3について調べていたときに見つけたのですね。オメガ3とは不飽和脂肪酸というものの仲間なんですね。化学式的な話をしますけれど、炭素って4本腕があるんですね。イメージ的にはこの4本のうちの2本がまとまって繋がっている「二重結合」というのがあって、まとまった2本を手放すこことで酸化に「余力がある」んです。この余力があることをもって「不飽和」って言ってるんですよね。飽和していないぞ、余力があるぞ、と。一方で4本の腕が全部酸化しているのを飽和脂肪酸と呼んでいます。酸化する余力がある不飽和脂肪酸に関しては「病気を劇的に治す」とかそういう作用はないけれども、健康にいいんじゃないかっていうことが議論されているんです。そのうち「オメガ3」とよばれる仲間は動脈硬化なんかにいいと言われている。たまたま仕事中にその科学的根拠が知りたいなと思うことがあってと調べていたらこの「イージム」が出てきたんです。「イージム」では、オメガ3について現時点で分かっている7種類の論文が紹介されていました。論文をそのまま紹介すると一般的には分かりにくいので、7つの論文の要約を一文でわかりやすく書いてくれていたんです。その噛み砕き方が素晴らしいと思いました。客観というのは、前提の目線がないということなんですよね。利害も思い込みもない。
山:「体にいい」と一言にいっても、「それが本当に私の体にもいいものなのかな」ということを、客観的に考えてほしい、という陶子先生からのメッセージでもありますか?
陶:その通りです!

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